ある雨の日の出来事 ハウル=apricotさん ソフィー=梓音さん その他=純(ずるっこ;)  
「ハウルさん、今日は王室行かれないんですか?」
「そうよ、きのうも結局ずる休みして!」
「だってソフィー! 今日は雨が降ってるんだよ?出かけたりなんかしたら服がぬれるじゃないか!」
「お天気のよい日は暑いからいやっていってましたけど・・・」
「あんたのお得意の魔法があるじゃない? しかも王宮への魔方陣で一瞬で行けるって言ってたじゃない!」
「あぁ、ソフィ−! 恋人と一緒にいたいだけなのに、どうして僕はここまで責められてるんだろう!」
「あ、僕店番してきます!!」
「あたしは働き者の恋人が好きなのよ」
「僕は充分働き者だと思うけど? いっつもいっつも、王様にこき使われてさ!」
「だったらあと少しだけ働き者になってらっしゃい! ほら傘!」
「何であんたはそんなに働くの好きなんだ! 恋人と一緒に甘い時間を過ごしたいとは思わないの? ねぇ?」
「やることやらずにだらだらなんて冗談じゃないわ!これ以上言うならほうきで叩いて追い出すわよ!」
「あぁ、何で僕の恋人は、こんなにわからずやなんだろう!」
「何であたしの旦那様はこんなに聞き訳が無いのかしら!」
「聞き分けがないのはどっちだか! いっつもいっつも掃除掃除、ねぇ、あんたは箒と結婚したのかい?」
「また始まっちゃったよ・・・おいらも早くどこかに避難しないと・・・」
「ねぇ、カルシファーもそう思うだろ? ソフィーってば、僕に対する愛情が薄いと思わないかいっ?!」
「えええ!おいら、あんたらの喧嘩に付き合いきれないよ!」
「箒ですって?そのほうが幸せだったかもね!でもあたしが結婚したのはハウエル・ジェンキンス、あんたよ!」
「…ソフィー!あんたがそんなにはっきり言ってくれるだなんて!そうだよ、僕の奥さんはあんただけだよ!(ぎゅううっ)」
「(どうせ目もあてられないくらいいちゃいちゃしだすんだから!)ほらね」
「・・・あたしの旦那様もあんただけよ。だからねえハウル、さっさと仕事に行って帰ってきてちょうだい。
そうしたら好きなだけあんたと一緒にいるわ。」
「大丈夫! 仕事ならサリマンがやってくれるからさ!…それよりも、もっと他のことして楽しみたいとは思わない?(にっこり)」
「他のことってなによ・・・(後じさり)」
「おいら、マイケルの手伝いしてくる!」
「カルシファー!」
「もちろん・・・・ねぇ、ソフィー?(にやり)」
「ハウルに水掛けられちゃたまんないからな」
「カルシファー、当分もどってこなくていいよ!」
「ちぇっ!判ってるよ!(ソフィーごめんな!)」
「あたしも花屋に行かなきゃ! マイケルが心配だもの・・・」
「あぁ、ソフィー! 花屋なんていいじゃないか、マイケルに任せておけばさ!」
「でもお得意様もいるし・・・」
「お得意様って何さ? 旦那よりもそっちのが大事だって言うの?」
「もうハウルったら。そんなことあるわけ無いでしょう?」
「だって! あんたの態度を見ていると、そうとしか思えないじゃないか!」
「いつも同じ花を同じだけ買っていく方がいるのよ。マイケルは知らないから・・・」
「・・・・・・ねぇ。それって男??」
「そうだけど、それがなに?」
「……っ!そうだけどって、ちょっとソフィーっ!!!だって!男ってどういうこと?あぁ、僕の奥さんが浮気してただなんてっ!」
「なんで花を買ってもらうのが浮気なの?」
「他の男のことを少しでも考えてるだけで、僕にとっちゃ浮気だよ!僕はいつでもどこでも奥さん一筋だってのに!」
「お客様なんだし、毎日だから覚えるわよ。変なこといわないでよ」
「毎日!!僕が仕事にいってる間に、あんたは他の男と会ってたってゆーのかい?あぁ、なんて様だろう!」
「ちょっとずいぶんな言い草じゃない? だいたいあたしが花屋の仕事に精を出すのはサボってばかりの旦那様のせいなのに」
「他の男と浮気されるぐらいなら、花屋なんてやらなくて結構さ!!」
「だったら働かなくても良いように毎日仕事をしてきなさいよ!」
「だって、僕達新婚なのに! 愛しい奥さんを放って仕事なんか行けるもんか!」 「ああ、もうそろそろいらっしゃるわね」
「えっ、来るの!? ちょっと待って、僕も行くから!」
「今日はお客さんこないね、カルシファー」
「ああ、声ががやがや町中に響き渡ってるからな・・・」
「マイケルどう? ハウル、来ないでって言ってるでしょ!」
「ああ、あのソフィーさん・・・あの今日はもう店終いにしませんか?」
「やだよ!その男に会わないと気がすまない!ソフィーは僕の奥さんなんだからさっ」
「どうして?もうすぐ来る方がいるのよ。それまでは開けておきましょう?」
「落ち着けよ、ハウル!今日はだあれもきやしないよ」
「それより早く仕事に行ってって言ってるでしょ!」
「(もしいらっしゃったら、ハウルさんにヒキガエルにされちゃいますよ!)」
「・・・来ないわねえ」
「何で、みんなそろって僕を仕事に行かそうとするんだい!あんな仕事なんかより、こっちの方が大事じゃないか!」
「残念。ひいきにしてくれるから選り分けておいたのに。明日までもつかしら?」
「ひいき!ひいきだって?ねぇソフィー、あんたってその男が好きなのかいっ!?」
「はあ? いきなり何言い出すのよ」
「だって! そこまで特別扱いするなんて!」
「いつも買ってくれるから避けてるだけよ。別に他意なんてないわ」
「本当に? …ねぇソフィー、僕のこと愛してる?」
「(溜息)・・・愛しているわ、心配性の魔法使いさん。これで満足?」
「あぁ、ソフィー! 僕もだよ、世界で一番愛してる!」
「だから仕事に行きなさい!(怒)」
「・・・・・わかったよ。仕事に行けばいいんだろ?奥さんの行ってらっしゃいのキスがあれば喜んで行くけどね!」
「はいはい、行ってらっしゃい! 愛してるわ、ハウル」      end
敢てそのままの会話形式で載せました。