まひるさんに素敵な喪服ハウルをいただいたお礼にと
リクエストいただいたのが「大人ハウル」でした。
が・・・・だめでした・・・;がくり・・・;
まひるさん、ごめんなさい><!!!!
まひるさんから冒頭部分を漫画化したものをいただきました!→




The second morning





腕の中の愛しい存在に、どうしようもないほど翻弄される自分に戸惑う。
今までの経験も、気障な台詞も全てが空っぽの・・・戯言のように感じる。
今、この瞬間だけが真実。

二度目の夜は、お互い恥ずかしくて。

「今日は・・・寝室・・・別でいい?」
寝室で待ちくたびれた僕に、ソフィーに涙目で訴えられた時は、思い切り慌てた。
「そんなこと・・・。ソフィー、逃げるの?・・・僕が怖い?」
逃げかける身体を抱き寄せて、耳元で囁く。そんな!と叫びたいのをなんとか堪えて。
「怖くなんて・・・!」
真っ赤になって見上げた瞬間、瞳で捕らえてゆっくりと距離をつめる。
ダメだよ、ソフィー。僕はもうあんたなしじゃ眠れないよ?
「へえ、そう?」
まるでダンスを踊るように背を支えて、くるりと方向転換させてベットに倒れ込む。
大きな瞳をしばたかせ、小さく抵抗するその腕を掴む。
力は込めず。
これはあんたに与える猶予。
本気で嫌なら逃げ出せるように。ためらう気持ちに言い訳させる為の猶予。
「ハウル・・・」
「そんな顔してもダメ。」
くすっと僕が笑うと、ソフィーも諦めたように苦笑する。僕の口付けを・・・イヤと呟きながらも受け入れて。

ああ、今夜は優しくしてあげよう。

そう思ったのは本当だよ?
・・・ソフィーが悪いんだ。あんまり魅力的で。
一度摘み取った果実の甘さは・・・僕を急き立てて。

「結局泣かせちゃった」

眠るソフィーのあかがね色の髪に指を絡めて、そっと口付ける。
自己嫌悪に似た鈍い痛みに苦笑する。

おかしいな。今度こそ、ソフィーをしっかりと繋ぎとめて、甘い夜を過ごすはずだったのに。
まだ肌を重ねるのは二度目。
初めてとたいして変わらないガチガチのソフィーを・・・僕が上手くリードするはずだったのに。
ソフィーの表情に、息遣いに、可愛い反応に。
すっかり酔わされたのは、僕の方。
余裕の欠片すらなく、僕の気持ちを押し付けて。
それでもズルイ僕は、初めてのソフィーが比べる対象がいないことに安堵して。
欲張って、欲しがって、結局泣かせてしまった。

「ソフィー・・・愛してるよ?」

腕の中のソフィーは昼間よりほんの少し素直。
ずけずけと言い放つあんたはそれはそれで魅力的なんだけど、今は・・・僕の腕の中で甘え方もわからずに戸惑うあんたが愛しい。
憎まれ口も大好きだけど、言葉にできずに恥ずかしがるソフィーは本当に可愛い。
困らせてやりたくて、意地悪な気持ちになってしまう。そんな僕はやっぱり子どもなんだろうか?
僕もソフィーも上手く言葉を紡げずに、ただ肌を重ねることに没頭してしまった。
得意の話術は役に立たない。

ソフィーの前では無意味だろう?

もっと余裕のある、大人な僕を・・・ソフィーは知らない。
でも。
それでいい。
そんな僕は本当の僕じゃないから。
それは愛することができなかった・・・心のない僕。
今はそれすら信じられないくらいに、心臓が暴れて呼吸さえ苦しい。

まだ余裕なんて感じたくない。溺れさせて、溺れて。この心地よい幸福感に酔っていたい。

腕の中で寝返りを打ち、背を向けるあんたを後ろから抱きしめる。

「本当は、誰の目にも触れさせず・・・僕だけの腕の中に閉じ込めておきたいんだけどね。」

昨日よりは今日。今日よりは明日。
ああ、イヤになるくらい、あんたはキレイになっていく。
自惚れ屋の僕は、僕を想うあんたの恋心があんたをキレイにしていくんだって浮かれたけれど。

「それは僕の前だけにして欲しいよ!」

首筋に口付けて、所有印を施そうかと考えたけど・・・よく考えたらそんなのは僕の自己満足。ソフィーの白い肌に色づくその印は、間違いなくオトコの視線を惹きつける。
牽制になんてなるもんか!ソフィーの艶かしい姿を想像するに決まってる!そんなこと、僕には耐えられない。

豊かな髪を掻き分けて、うなじからの流れるようなラインをそっとなぞる。
そしてゆっくりと背中に口付ける。
誰にも見えない場所に・・・僕だけの秘密の印を。
ぴくり、と反応する姿は・・・僕の背筋をぞくりと震わせる。

「・・・起きちゃった?」

後ろから抱きしめて、足を絡ませる。返事の代わりに身体が強張り、肌まで色づく。
そっと覗きこむと、見つかりませんように!と呪いをかけているかのような必死の表情。

「ねえ、ソフィー。・・・ソフィーって背中弱いよね?」
「・・・・!!」

僕が囁くと慌てて身を捩り、鋭い視線で抗議をあげかける。
僕はとびきりの笑顔を向けて、抗議を唇で塞ぐ。

「朝になったら、久しぶりに僕が朝食を作るよ。・・・だから、ソフィー・・・」

もう一度、愛し合おう?
二度目の夜はまだ明けないから!





end



あれ?どこが大人・・・?まひるさん、すみません><