イケダさんからお婿さんにイラストいただきましたー!
早速、拙い文章に付けさせていただきましたvv
このハウルさんもう愛しくて愛しくて、これだけでもう一つ話がつくれちゃうんですが!!
このハウルさんを頭に思い描いて書いたので、幸せです〜(涙)
イケダさんありがとう!





愛し愛され、振り回されて




愛し方がわからない。ううん。愛され方がわからない。

今更なんだけど・・・、あたしはこのどうしようもない魔法使いをどうしたらいいのか・・・悩んでる。



あたしだって、人並みに家族から愛情をもらって大きくなった。
妹たちには、惜しみない手間をかけたわ。
自分のことは、二の次に。
「姉さんは我慢しすぎなのよ!」
よく、レティーやマーサに言われたけれど、性格と云うか性分と云うか。我慢することが当たり前だと思っていたし、
それを苦にも思わなかった。

長女だもの。

自分に言い聞かせた呪いのせいだとしても、家族を愛する気持ちは嘘じゃないでしょう?
だから、自分が格段愛情の薄い人間だなんて思ってもいなかったわ。

「こんなに僕が君の傍にいたくて、仕事をさぼっ・・・・切り上げてきたって云うのに!!」
「どうして、キスしちゃいけないの?これは必然だよ!」
「ソフィー!ソフィー!愛しの奥さん!」

ハウルはずるい。

愛して欲しいって我儘なら、いくらかこちらも対処を心得ているつもり。
十分愛してるつもりよ!って言えるもの。もちろんハウルは納得しないけれど。
結局あたしは放っておけないし、そんなことしたらみどりのねばねばが、磨きあげた城を覆ってしまう。
どんなに突っぱねても、求めることを止めないから。あたしが根負けしちゃうのは癪にさわる。
愛してあげるわよ!どんなあんたでもね。
それが、あんたと生きてくってこと。覚悟はできてたもの。
まさか、果てない愛情をこれほどまでの労力を持って注ぎ続けるなんて思ってもみなかったけれど!

でも、あんたはそんなことじゃ許さない。

あんたはあたしに強要する。愛されることに貪欲に。愛されることに我儘に。

これには正直、戸惑ってしまう。
今でも十分過ぎるほど、愛されてるっていうのに。
これ以上のあんたの愛なんて受け止めきれないわよ。

「あんたは自分の魅力に気がついちゃいないんだ!」
「僕の気持ちの十分の一もわかっちゃいないんだもんなあ。あんたはなんて鈍感なんだ!」
「もっと、もっと僕を求めてよ!愛しいソフィー」
大げさな言い回しにも慣れてきたけれど。
「僕は愛したいし、愛されたい。ソフィーも僕を愛して?そして愛されて!」
「そんなの、十分だって言ってるでしょう?あたしはもう十分愛されてるわよ!」

あたしが言い返すと、あんたはとんでもない!と怒り出す。
「ソフィーは冷たい!僕がどんなにあんたを求めて、あんたに求められたいか!ちっともわかっちゃいない」
「あたしが冷たいですって!?あんたの子どもみたいな我儘にも付き合ってるっていうのに?」
「ソフィー、あんたは愛情が薄い人間だね!・・・・自分に対しての愛情が足りないんだよ。だから自分のことに鈍感なんだ!
あんたは周りを愛で溢れさせてるのに。気がついてないの?あんたは愛されることに慣れてない!」
「あんたのように自惚れろっていうの?」
あたしは小さく言い返してみる。
あんたは盛大な溜め息をついてみせる。
「だからあんたは心配なんだ!」
仕事にも集中できないよ!あんたは絶望だとばかりに目を覆う。
もう、いったい何が心配だっていうのかしら!

・・・でも・・・気がついてしまった。・・・・確かに・・・
あたしは、愛され方がわからない。
愛されることに不器用なのかもしれない。
・・・ハウルの感情に上手く答えられやしないから。
だから、いくら甘い言葉をもらっても可愛くなんて答えられない。

「それじゃあ、そのうち、あんたも愛想を尽かすわね。」
ぽつりと漏らすと、あんたは凄い力で引き寄せて。
「なんてことを言うんだろう!この心のない娘さんは!僕があんたに愛想を尽かすだって!?」
痛いほどに抱きしめる。
「だからあんたは薄情だって云うんだ。僕の気持ちを無視する気?あんたにもらったこの心臓は、あんたのことで
いっぱいだっていうのにさ!あんたは悪魔より怖いね!平気で僕の心臓を止めようっていうんだから!
それなのに、僕はこんなに不器用な奥さんがとっても好きときてる。」

こんな熱烈なラブコール、あたしじゃなくたって受け止めきれないと思うわよ。
溜め息を一つ。

・・・・だいたいね?
店先で顔馴染みのお客と話している最中に、急に現れて。
仕事を明らかにさぼってきたとしか思えない昼下がりに、寝室に連れ込むのがどうかしてると思うのだけど。

今更なんだけど・・・、あたしはこのどうしようもない魔法使いをどうしたらいいのか・・・悩んでる。

「・・・ねえ、ハウル?それであなたは何で帰ってきたの?」
わかりきったことを聞くのもなんだけど。
仕方がないわね。あんたの愛し方を少しずつ受け入れていってあげるわよ!
あんたの望むように、愛されることに少し前向きに考えてあげる。
「ソフィー!あんたを抱きしめたくてしかたがなかったんだよ!」

悩んでたって仕方ない・・・・。相手は稀代の魔法使い。

あんたは嬉しそうにあたしを抱きしめて、小さなキスを繰り返す。
髪を器用にほどき、手を身体のラインに沿わせて。

「こんな昼下がりから、あたしたちってどうなのよ?」

にこにこしながらボタンを外すあんたを睨み付けてみる。
あんたは眩しいくらいに笑顔を見せて。

「この世は愛でできているからね!!」
高らかに宣言する。

ああ、なんて忌々しい!
愛し愛され振りまわされて、この世は愛でできている!





        end








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