kanaさんが拙サイトのお絵かき掲示板にて描いてくださいました。
あまりの可愛さに迷惑にも押し付けたssです。kanaさんの許可を得てアップさせていただきました!
KISSxxx
戦争を始めるきっかけはとてつもなく容易であるのに対し、終戦というのはその何倍もの時間と労力を費やさねばならない。
まして、どちらかが勝利したわけでない停戦となれば尚のこと。この戦争はもともとは私に掛けられた呪いから始まった。
私が忽然と姿を消し、国内が騒然となった隙を突きインガリー国が攻めて来た。
戦禍の恋・・・・。私にとってソフィーは最初から特別な存在。何故老婆の彼女に惹かれたんだろう?
カブ頭のかかしにされていた私の呪いを解いた・・・最愛の女性ソフィー。
でも、ソフィーは魔法使いハウルを愛していた。かかしでいたときからわかっていた。
ソフィーはいつもまっすぐだ。優しさと温かさ。私に・・・王子として何不自由なく生活してきた私に・・・欠落していたもの。
最愛の女性の・・・その口付けで私は王子に戻ることができた。
国同士の戦いは、原因を取り除けたからといって簡単に終われるわけではない。私が戻ったところで戦争を止められる筈もない。
ハウルは毎夜黒い翼を身に纏い戦場に飛び立つ。戦争を食い止める・・・いや・・・ソフィーと家族を守るために。
ハウルを心から愛するソフィーは胸を痛める。愛するハウルを引き止められないはがゆさに涙して。
最愛の女性の笑顔の条件は・・・ハウルと共に生きること。・・・・それでも私は・・・ソフィーの幸せを願う。
自分にできる最前の方法でソフィーの笑顔を守ろうと固く誓ったのだ。
私は愚かだろうか?
愛しい人の悲しむ姿を見たくなくて・・・戦争を止めたい。戦禍から救わなくてはいけないのは・・・他ならぬハウル。
私は、停戦のために寝る間も惜しんで交渉を繰り返した。
そして今日、ようやく強欲なインガリー王も停戦にサインした。
愛しいソフィーの笑顔が見たくて、その足で城を尋ねた。
「ソフィー!!停戦が合意されたよ!!もう君のハウルも戦わなくていいんだ!」
うとうと昼寝をしていたカルシファーが驚いて、パチンとはねる。ソフィーはハウルを見つめ、微笑むと私に駆け寄り抱きついた。
「カブ!あなたはどんな物語の王様より立派だわ!みんなの幸せを考えられる王様よ?ありがとう!カブ!」
愛しいソフィーは私の頬に口付ける。突然の出来事にハウルも呆気にとられてる。
じわじわと胸に広がる幸福感。
「貴方が幸せなら、私はどんな王様にもなれますよ」
ソフィー・・・貴方は私の・・・幸福の女神。
end
kanaさんありがとうございました。