Treasure
梓音さんへのプレゼントで打った「シャングリラ!」へ
海が好きさんがイメージイラストを描いてくださいましたvv
背後からの震える声に、ハウルは振り返って目をぱちくりさせた。
あんな壁を築いたからには、当分冷戦状態だろうと思っていたからだ。
「大事に、思ってくれるのはありがたいわっ・・・
でもね、あたしは、あんたの伴侶になったのよね?
あたしが、あんたに守られるためだけに一緒になったと思ってるの!?」
「あんたはそういうけど・・・!」
「何よ、そんな呪い!あんたもう忘れたの!?
あたしたち、ぞくぞくするような毎日が待ってるって
わかってたはずじゃない・・・!」
「ソフィー・・・!」
「言っておくけれど、あんたが恰好悪いのなんて、先刻承知よ!
あたしがどうしようもない知りたがりだって、
あんたが知ってるのと同じようにね!」
一気に言って肩で息をするソフィーは、ふん!と鼻を鳴らすと
「あんたが作る壁なんて、あたしが全部ぶち壊してやるんだから・・・!」
と腰に手をあてた。
「だいたいね、そんな火傷くらいで、
あたし、心配したりしないわよ!?
あんたの奥さんになったんだから、
ちょっとやそっとじゃ、ひ、引いたりしないんだから!」
声が震えて、ハウルにはそれが彼女の強がりなんだということがわかっていた。
それが、とても愛おしく感じる。
だから肩を竦めて「内緒にしてて、悪かったよ」と両手をあげた。
「でも、いいかい?この呪いは厄介だから、あんた変なことするんじゃないよ?」
隠しておくほうがこの知りたがりの奥さんには危険なのだということに、
ハウルは内心溜息を吐いた。
まあ、でも、あの壁は本当に寂しいものだったから・・・。
「笑って見せてよ、ソフィー。本当に壁がなくなったのか、確かめたいからさ・・・」
右手を恐る恐る伸ばしたハウルに、ソフィーは「どうしようもないヒトね・・・!」とぎこちない笑顔を浮かべた。
二人が一緒であれば、どこに居ても何があっても、そこがシャングリラであると気づくのは、もう少し後になってからのこと。
2008,3,31UP
・・・の2人ですv
海さん、素敵なイラストをありがとう!!さすが相棒vv
ハウルのあの眼差しが、なんとも愛しさを表していると思いませんか^^
アップが遅くなってしまって申し訳ありません〜!