栽培技術研修(先進地視察)
テーマ:無農薬水稲栽培
 
東近江市、安井さんの圃場と県立滋賀大
    日程:平成19年7月23日
    主催:コウノトリ育むお米生産部会・豊岡農業改良普及センター・豊岡市・JA

  1.安井さんの無農薬栽培圃場
    8年前より「冬期湛水・不耕起・無農薬栽培」されている安井さんの圃場を見学。
    安井さんと小池先生(県立滋賀大名誉教授)からお話を聞いた
    ●湛水に関しては、9月上旬、稲の収穫直後に米糠を散布(80kg/10a程度)
      して水を張る。
      そのまま湛水して冬を越し、春も湛水したまま不耕起で田植えをする。
      稲の生育期間中は深水管理して、中干しなど一切しない。
      刈り取りに備えて8月下旬に落水して乾燥させ、9月初旬にコンバインで
      収穫する。
      従って湛水していない期間は、刈り取り前後のみで、「冬期湛水」と云うより
      むしろ「通年湛水」である。
    ●田植えは、不耕起専用の田植機を用い、前年の稲株の間に植え付ける。
      60株/坪 
    ●苗は、播種量70グラム。
    ●肥料については、稲わらを全量還元していることと、冬にカモ類がやってきて、
      かなりの量の糞が入る。
      秋の湛水前に米糠を散布するが、これは、微生物の餌を目的としている。
    ●無農薬栽培であるから、農薬の類はもちろん、抑草目的の資材も一切
      使用しない。

  2.県立滋賀大学
    県立滋賀大に移動して、小池先生の講義を受けた。
    小池先生は環境がご専門で、「環境保全型稲作の経営経済分析」をテーマに
    調査研究された結果をお話しいただいた。
    環境保全型稲作は、『一人ひとり、一筆ごと、年ごとに違うようだ』とお話しされ、
    未だ多くの課題がある事を認められた。
    今年、大学の近くに2.5haの圃場を確保し、冬期湛水の為に自噴井戸を設置し、
    「いのちはぐくむ水田農業」の試験研究をするプロジェクトを立ち上げられた。
    その実証田の結果に興味があるところで、再度訪問してみたい。    



安井さんと小池先生から説明を受ける。東近江市の安井さんの圃場で 
 

米ぬかペレット抑草実証田視察
    日程:平成19年8月9〜10日
    主催:株式会社タイワ精機(本社・工場:富山県)
  1.太田様の圃場(上越市)


  2.内田様の圃場(妙高市) 
  


   3.「コシヒカリの父」杉谷文之のモニュメント
     日本一の銘柄米「コシヒカリ」の育ての親といわれている、杉谷文之氏の
     モニュメントを見に氏の出身地の富山県上市町を訪ねた。
     顕彰碑によると、杉谷文之氏(1907〜1985)が新潟県農業試験場で稲の
     新系統「越南17号」(福井県農業試験場で育成され、その種子が各県に
     配布された)を奨励品種に選定しなかったら、今日の「コシヒカリ」は存在し
     なかったと言われている。   

     昭和30年当時はまだ増産第一で、うまい米より多収米が喜ばれていた。
     『うまい米づくりの時代がきっと来る』と、倒伏しやすいといった弱点は栽培
     技術で克服出来ると部下を督励して研究を重ね、昭和35年までに栽培技
     術を確立させた。
     (当時同じ種子の配布を受けた我が兵庫県はじめ多くの県は、
     先見の明無く、ボツにしていた)
     昭和47年になって富山、石川、福井の各県も奨励品種に選定し、その後
     全国的な広がりを見て、昭和54年からは連続して全国作付け第1位を占め
     ている。
     生誕100年を記念して、今年7月にこの地に建立された。