第3章 日本列島の誕生(2)(大八島国)
「今、私たちが生んだ子どもたちは、どうもよくない。もう一度、天つ神様たちの所へ行って、尋ねてみよう。」
と二柱の神は相談され、ご一緒に天つ神のところに参上し、お伺いを立てました。
天つ神のご命令で、鹿の骨を焼いて占ったところ、「女が先に声をかける事はよくない。また戻って改めて言いなおせ。」とのお告げがありました。
そこで二柱の神は、島に降り戻って、もう一度、天の御柱を前のようにお回りになられました。今度は、イザナギノミコトが先に
「やあ、本当に美しい女性ですね。」
とおっしゃると、その後でイザナミノミコトが、
「まあ、本当にすてきな男性ですね。」
とおっしゃいました。このように言い終わった後に男女の交わりをしてお生みなった子が、淡路島(あわじしま。瀬戸内海最大の島。現在は兵庫県の一部)です。こうして、イザナギノミコトとイザナミノミコトが次々にお生みになったのは、以下の島々です。
- 四国(※古事記には、次のように書かれている。「この島は、身体が一つで顔が四つある。伊予の国をエヒメ(愛比売)といい、讃岐の国をイイヨリヒコといい、阿波の国をオオゲツヒメといい、土佐の国をタケヨリワケという。」)
- 隠岐島(おきのしま。島根県の隠岐諸島
- 九州(※古事記には、次のように書かれている。「この島も身体が一つで四つの顔を持つ。筑紫の国をシラヒワケといい、豊国をトヨヒワケといい、肥の国をタケヒムカヒトヨクジヒネワケといい、熊曾の国をタケヒワケという。」)
- 壱岐(いき。長崎県壱岐郡。飛石状をなす島)
- 対馬(つしま。長崎県対馬。九州と朝鮮半島の間に位置する)
- 佐渡(さど。新潟県の日本海最大の島)
- 本州(大倭豊秋津島=オオヤマトトヨアキツシマ)
このように、八つの島をお生みになったので、この国を「大八島国=おおやしまのくに」というのです。
この後も二柱の神は、次の六つの島もお生みになりました。
- 吉備の児島(岡山県児島半島)
- 小豆島(あずきしま。香川県小豆郡の瀬戸内海の島=しょうどしま)
- 大島(山口県の屋代島)
- 女島(ひめじま。大分県姫島?)
- 知訶島(ちかのしま。長崎県五島)
- 両児島(ふたごのしま。特定不可)
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