神様からの贈り物

「四十年間生きてきて、初めて音楽で生活ができるようになりました!」
十年ぶりに電話を通して聞く彼の声は弾んでいた。  

J と出会ったのは、おれが音楽カメラマンとしてまだ駆け出しの頃である。沖縄出身のご機嫌なロックンロール・バンドのギター弾きが彼だった。 大手のレコード会社から二枚のアルバムを発表するも思うように売れず、数年間頑張ったものの結局バンドは解散し、夢破れたJ は沖縄へ帰っていった。
訳が分からないままJ に顔面パンチをくらったのも、その頃のことである。
現実という壁に押しつぶされまいと一生懸命だった彼に対し、そのときおれは何も言い返せなかったことを思い出す。  

音楽活動から足を洗ったもの、とばかり思っていた彼の噂を聞いたのは昨年の事である。仕事で沖縄に行った際、地元で評判になっているというCDを購入し、早速聴いてみた。

『顔小上ぎてぃ  少々笑てぃんでぇ  明日なれぇから  又太陽上がいんどう』 -雨のち晴れ -

友人に捧げられたというこの曲を繰り返し聴き、おれは泣きながら笑った。 この歌詞は、まるでJ 自身のことを歌っているではないか…と。  
素晴らしいCDが認められて、ほんとうに良かったね。 新しい年が明けたら、久しぶりにカメラをぶら下げて会いに行くよ。 ジョニー宜野湾!!

                                      1998年暮れ