インディアンと第七騎兵隊

リトル・ビッグホーンの丘に立ち、ぼくはその景色の美しさとあまりの静寂に感動している。そう、ここはその昔カスター将軍の第七騎兵隊がスィッティング・ブル率いるスー族とシャイアン族との混成部隊に全滅させられた場所だ。

“コノ土地ハ モトモト インディアント バッファローノ モノダ・・・”

しかし、ここでのインディアンの勝利は、数多くあった戦いの中では例外にすぎず、多くの場合彼等は殺される方の側だった。

この歴史的な場所には、現在、白人による立派な施設があり大勢の観光客が訪れる。一方、ビッグ・フットに率いられた多数のインディアン達が無抵抗のままに虐殺されたウーン・デッドニーなどには、荒涼とした砂漠の中にポツンと石碑があるだけで、訪れる人もない。

“正義ハ イツダッテ 力ノ強イホウノモノナノダ・・・”

小雨の降る丘の上にポツリポツリと点在する白人兵士達の墓を廻りながら、ぼくは静かに目を閉じる。その下を何事もなかったように小さな小さなリトル・ビッグホーン・リバーは流れるのだ・・・100年前と何も変わることなく。

                                    1985.8月記