『SSのお部屋』
 本作には、未成年者には相応しくない表現、及び性的な描写があります。それらに抵抗を覚える方は作品閲覧をご遠慮下さい。
 なお、閲覧されたことで不快感や嫌悪感等を催されても、管理人は一切の責任を負いません。
 人の営みに変化は付き物だ。必要不可欠と言ってもいい。
 成長、発展、進化……

 人は変わり続ける生き物だとも言う。
 そして、変わって行くことに恐れや不安を覚えるとも言う。

 俺も同じだった。
 変わり行く町が、恐かったから。
 変わり行く風景が、恐かったから。
 変わり行く人が、恐かったから。
 そして
 変わり行く想いが、恐かったから……

『……何もかも、変わらずにはいられないです』
 かつてそうつぶやきながら、坂道の下で立ち尽くしていた渚。
『……見つければいいだけだろ、新しい何かを』
 そんな渚の自問に、不意討ちめいた返答を投げかけたのは他ならぬ俺だった。幼い頃に母親を亡くし、父親ともうまく行かず、ただ惰性のようにつまらない毎日を送っていた、当時の俺。何かが変わるんだろうか? こうしていて何かが変わって行くんだろうか? 変わって行って欲しい。かつてあれほどまでに変化を望んでいた俺自身が、今、変わって行くことに怯え、恐れている。

 だから、渚だけでも繋ぎ止めておきたかった。
 繋ぎ止めた証が欲しかった。たとえそれがひとときの儚い幻であったとしても……
 そんな想いを抱きつつその夜、俺は、渚を……抱いた。

変わるもの、変わらないもの

 渚と出会ったのは高校三年生のときだった。
 いわゆる『不良生徒』で遅刻常習だった俺が、学校へと続く坂道の下で出会った少女。独り言をつぶやきながらその場に立ち尽くしていた彼女に、いきなり声をかけたのは俺の方だった。何の変化もない退屈な日常に、変化を期待しての行動。その一言を始まりとして、俺自身がここまで変わることになるなんて、その時点では全く想像もしてなかったし、期待すらしていなかった。

 渚は今、大切な人、最愛の人として俺の傍らにいる。
 大きな変化の先でやっと手に入れた『宝物』
 抗いようのない変化の大波に押し流されつつも、その宝物だけは決して手放さないように、その繋がりと想いだけは決して変わって行くことがないように、俺は………


「……渚」
「……朋也、くん」

 見えない何かに怯え、その救いと答えを渚に求めたときから、そうなることは定められていた。そう、それは必然と言ってもいいくらいに極めて自然な流れだった。
 互いの体温と高鳴る想いとを確かめ合うような抱擁を解き、見つめ合う。そこに、言葉は必要なかった。
 渚が潤んだ双眸を静かに閉じ、桜色の唇を少しだけ開く。無言の求めに応じてそこに自分の唇を重ねると、互いのそれを押し広げるようにして空間を確保、そこを求め合う想いを乗せた互いの舌先が進み、絡み合った。

「……ん、んん」
 ぴちゅっと唾液が鳴り、渚が小さな声を漏らす。
 細い両肩を抱いていた手の片方を下へとずらし、パジャマの上から柔らかな胸の膨らみにそっと触れる。ぴくっと体を震わせた渚だったが、優しく撫で回す俺の手に自分のそれを重ねると、二つの膨らみの谷間に誘った。……布地越しにも、とくん、とくんと高鳴る鼓動が伝わってきた。

 絡めあった舌と唇を離すと、名残惜しそうに唾液が糸を引く。そして二人の体液で濡れそぼり赤みを帯びた小さな口が、浅い恍惚に浸りつつ誘いの言葉を紡いだ。
「……脱がして、下さい」
「ああ……」
 パジャマのボタンに指をかけて一つずつ外し、静かにそっと脱がせていく。渚の雪白の肌が照明を落とした部屋の中に浮かび上がり、慎ましやかな二つの膨らみが露になった。頬を染め無意識に両手で胸を覆った渚をそのまま布団に寝かせると、腰に手をかけてパジャマのボトムを下ろしていく。
 華奢な体躯に渚の純潔そのままの、真っ白なショーツが一枚だけ残された。フリルとレースで飾られ淡いピンクのリボンが中央にあしらわれたそれは、少女のような無垢さの中に慎まし気な色香とほのかな女性の香りとを漂わせていた。

「……あ、んっ!」
 渚の体に顔を埋めると、耳、首すじ、鎖骨と順番に舌を這わせる。その度に色香を含んだ甘く可愛らしい声が、俺の耳に天使の旋律となって届いた。

「……はぁん」
 柔らかな胸のふくらみに舌を這わせ、その頂点で堅く実を結んでいる突起をコロコロと転がす。ときおり赤子のように吸い付き、くぱっと音を立てて離すと、なだらかな曲線を描く丘がぷるんと震え、喘ぎ声のトーンが一段階増した。

「あんっ!」
 渚が一際大きな喘ぎを漏らした。胸への愛撫を続けながら、もう片方の手で渚の股間に触れたからだ。そこは薄い布地の上からでも分かるくらいに熱く、既にほんのりとした湿り気を帯びていた。形を確かめるようにすじに沿って指を動かすと、それに合わせるように渚の声と呼吸が荒くなっていく。ショーツの股間は布地が厚くなっているが、動きに合わせて溢れ出る蜜は、それをものともしないように布地越しの俺の指を濡らしていた。
『頃合いか』

 一端、渚から離れると、俺もスウェットを脱いだ。ボクサーブリーフ一枚になった股間は既に渚を求めて熱く充血し、ブリーフの布地を破れんばかりに押し上げていた。
 先ほどまでの愛撫の余韻に上気しつつ浸っている渚。見つめながら、俺は渚への愛撫を再開する。もう一度深い口づけから、首すじ、胸と舌を這わせ、空いている手を渚の股間に伸ばす。
 あっと渚が小さく声を上げ、一瞬、体をこわばらせた。ショーツの中に手を入れて、渚の性器を直接愛撫したからだ。布地越しにも濡れていた股間はたちまち潤いを増し、さわさわとした恥毛と肉厚の花弁とあふれ出る蜜の三重奏を感触として伝え、可愛い喘ぎ声がそれに彩を添える。

「脱がすよ」
「……はい」
 溢れ出た蜜でぐっしょり濡れたショーツをくるくると丸めながら下ろし、右足、左足と順番に抜いていく。露になった恥丘には栗色の恥毛が、やや手入れの行き届いていない芝生のように茂みを形作っていた。

「……あっ」
 脱がせたショーツをパジャマのそばに置き、渚の両足を抱え上げてから左右に広げる。無意識のささやかな抵抗の後、蜜に光り輝く秘所が花開いた。淡いローズピンクの花びらの中央に花筒へと続く入口と思われる窪み、そしてその上に小さな蕾があった。
「は、恥ずかしい……です」
 両足を大きく開かれ露になった性器を凝視される格好となった渚。さすがに羞恥心が限界に達してしまったのか、両手で顔を覆い小刻みに体を震わせている。溢れ出る蜜で濡れそぼった花びらに顔を近づけると、甘くツンとしたチーズケーキのような匂いが鼻腔をくすぐってきた。
「キレイだよ、渚のここ」
 顔の半分ほどを手で覆って真っ赤になっている渚を優しく見つめ、俺は渚の性器への愛撫を始めた。
「あん、あんっ、ああんっ!……あ、そ、そこは。……あうっ!」
 肉厚の花弁とその上の小さな蕾を舌先でなぞりつつ、窪みの奥を人差し指でまさぐる。先に進めそうなところを探り当ててゆっくりと挿入すると、第一関節が沈み込んだ辺りでこつんと壁のようなものに当たり、渚が呻くように声を上げた。
「痛い?」
「は、はい。ちょっと……」
 俺は指を窪みから抜き、もう一度花びらに口づけをしてから抱え上げていた渚の足を元に戻した。そして渚がこちらを見つめているのを確認してからブリーフを下ろし、堅く充血した自分の分身をその視線の先に晒した。

「………」
 ごくりと、渚の喉が鳴ったのが分かった。
「見るのは初めて?」
「は、はい……」
 子どもの頃に父親のそれを見たことはあったそうだが、当然、今目の前にあるそれとは違うだろう。状況や形もそうだが、当時と今とではそれに対する知識や関心からして全然違うのだ。
 渚は俺の股間に顔を近づけると、恐る恐る分身に触れてきた。少しだけひんやりとした渚の手の感触にピクンと反応したそれに、「わっ」と小さく驚きの声を上げる。
「こ、これが、私の中に入るんです……よね?」
 また渚の喉がごくりと鳴った。
「うん、多分……ね」
 指で軽く触っただけでも渚の女性の部分がまだ男性を知らず、狭くぴっちりと閉じているのは、先ほどの愛撫だけでも分かっていた。
「やっぱり、すごく痛いんでしょうか? わ、私……その、初めてですから」
「うーん、どうかな? それは女の子にしか分からないし、それにさ、俺だって初めてなんだぜ」
「え? そ、そうなんですか?」
 正直、傍から見ると滑稽で思わず赤面を覚えるような会話だ。渚が処女なのは一緒になる前からそれなりに察してはいたし、先ほどの愛撫の反応ではっきりと確信したけれど、もしかして渚からは俺はこういうことに慣れているように見えたのかもしれない。

「俺さ、渚に出会うまでは本当に何もない、何も変わらない退屈な毎日だったんだ。母親の顔さえ憶えていないし、親父ともあんな調子だっただろ? そりゃこういう行為を知識としては知ってたよ。エッチな雑誌やアダルトビデオとかだって見てたしな」
 そうなんですか、と無言で返しつつこちらを見ている渚。
「渚と出会ってから俺、本当に変わったよ。人と人との繋がりや家族のぬくもりってのも少しずつだけど、分かるようになって行ったしな」
 渚との出会いの日からの記憶を反芻しながら続ける。つまらないであろう身の上話なのに、渚はじっとこちらを見つめながら、だまって聞いていてくれた。
「そんな『変わって行くこと』を誰よりも望んでいたはずの俺が、住み慣れた町が変わって行くこと、見慣れた風景が変わって行くことに抵抗を感じるなんて、よくよく考えればおかしいことだよな?」
 自嘲気味に顔を背けつつ続けた話を、渚が優しく遮ってきた。
「おかしくなんて、ないと思います。私だって、変わって行くこと、変わらずにはいられないものを恐がってますから」
 そうだ、あの出会いの日。自分自身に問いかけるよう、そうつぶやいていた渚。そんな渚に声をかけたのは俺自身だ。ともすれば、俺が渚にとっての変化の要因そのものだったのかもしれない。そんな俺が今では……。
「でも、人は変わって行くものです。変わって行かなければならないです。変わらないと言うのは、成長そのものを人としての営みそのものを否定するようなものですから」
 渚の言葉に光が宿り、俺の淀んだ心の中に流れ込んで行く。俺は相槌を打つことさえできず、ただ無心に渚の言葉に耳を傾けていた。
「……人は変わって行きます。でも、変わっては行かないもの、変わってはいけないものもあります。……朋也くん」
 俺の名を呼び、女神のように達観した柔和で可憐な表情で続ける。
「朋也くんはその答えを、今夜、私に求めてきたのではないのですか?」

 ああ、また、渚に救われた。
 渚は全てを分かっていた。
 渚が家計の助けと自分自身の変化のためにとアルバイトをすることになった、ファミリーレストラン。それが建ったことでかつての通学路の風景が変わってしまった話、渚との思い出が詰まった旧校舎が取り壊され、新しい校舎が建つという話、大きな幹線道路が通ることで、住み慣れた町の風景が一変するかもしれないという話。
 俺はその一つ一つに動揺したが、渚に言わせればそれは景色が変わるだけ、そこで暮らす人々の心や繋がり、想いまでが変わるわけではない。変わってはいけないものを心に留めつつ、変わるべきところは変わって行くと言うこと、それを全て分かっていたのだ。
 訥々と語る渚を前にして、俺は、改めて己の小ささを呪った。そして救ってくれた、導いてくれた渚と今こそ、一つになりたいと強く思った。

「……朋也くん」
 優しく渚が誘いの言葉を紡ぎ、布団に横たわった。
「来て、下さい……」
 それが、合図だった。

 先ほどと同じように渚の両足を抱え上げて左右に開き、その間に自分の体を割り込ませる。そして左手で渚の足を抱えたまま右手を自分の分身に添えて、花びらの中心の窪みに先端を触れさせた。少しだけ腰を進めると、亀頭が窪みの中に沈み込んで熱くとろりとした感触に包み込まれ、それだけでも痺れるような快感をもたらしてきた。やがて侵入は壁に阻まれる。

「う……い、痛いです」
 やはり渚の花筒は狭く、亀頭が沈み込んだところで渚が苦悶を訴えた。感触からして先ほど指がつかえたところ、恐らくは処女膜の手前だろう。物の本では破瓜の痛みは一瞬のもので、実のところは膣口を押し広げる異物への抵抗が痛みの元だそうだが、それは一般的なものであって当然、感じ方は人それぞれだ。

「どうする? 痛いなら、今日はもう止めとくか?」
 じっと痛みに耐えている姿に思わずかけた俺の言葉に、渚はかぶりを振って否定の意思を示してきた。確かにここまできたら最後まで行きたいが、渚が苦しむようでは悦びも半減以下になってしまう。この大切な日にそれだけは絶対に嫌だった。

「いいです、どんなに痛くても、ガマンできますから」
「いいのか? 無理しなくてもいいんだぞ」
「大丈夫です。だって、今日は私たちにとってとても大切な日になりました。だから、その想いと一緒に繋がった証が欲しいんです」

 はっとした。
 そう、渚はとうに覚悟を決めていたのだ。迷っていた、渚のことを気遣うなどと理由を付けていた俺が浅はかだった。俺の方こそ覚悟を決めなければならなかったのに、渚の想いに応えなければいけなかったのに……。ゴメンよ、渚。俺、もう迷わない……。
 俺はもう一度、先ほど止めた場所まで亀頭を沈めると、ノックをするように数回、侵入を拒んでいるものの感触を確かめる。
「なるべく力を抜いて」
 半分は自分自身に言い聞かせていた。口づけを交わして見つめ合い、二人でゆっくりと深呼吸。
「行くよ……」
「……はい」
 ……そして、俺は一気に渚を、貫いた。

「きゃぁぁぁぁぁんっ!」
 悲鳴に似た叫びとともに渚が体を弓なりに逸らし、ぎゅっとシーツを握り締めた。
 ぷつっと何かが千切れるような感触がした刹那、俺の分身は一気に渚の熱い花筒へと呑み込まれて行った。それはこちらから押し込んだと言うより、引き込まれたような感じだった。
「う……」
 思わず声が出た。花芯を貫いた俺のモノに、たっぷりとぬめった熱い襞が絡みつき、きゅうきゅうと締め付けてくるのだから堪らない。火山の噴火のように一気に沸き上がってきた快感をぐっと抑え、俺は何とか射精寸前で踏み止まった。

「と、朋也くん、大丈夫ですか?」
「あ、ああ、大丈夫だよ。そ、それよりも渚の方こそ大丈夫か? 痛くないか?」
 問いながら股間に目をやると、俺の分身はしっかり根元まで渚の中に呑み込まれていた。男女の繋がった部分がひくひくと動き、赤い破瓜の血が滲んでいた。……これで痛くないわけがないだろう。
「その、あの……、まだじんじんとしてるので、なるべく動かさないでもらえますか? あ……、で、でも出し入れしないと気持ちよくないですよね? そ、それくらいは分かってますから……」
 顔を真っ赤に紅潮させながら一気にしゃべる渚。努めて軽妙な口調だが、両の目尻には涙が浮かび、今にも零れ落ちそうになっていた。
「い、いいよ。しばらくこのままでいよう」
 渚を気遣ったと言うよりも、ここで下手に動くと自分の方が危ない。こうしている間にも熱くぬめった無数の襞が、その一つ一つが意思を持っているかのように俺のモノにまとわりつき、精を搾り取ろうと蠕動しているのだ。

 暖かな渚の中の感触を、動かなくても波のように押し寄せる快感に耐えつつじっくりと味わいながら、渚と俺自身が落ち着くのを待つ。
「あったかいな、渚の中」
「朋也くんのも、あったかいって言うより、何かすごく熱くて。おなかの下の方でトクントクンって、心臓がもう一個あるみたいな感じがします」
 既にじんわりと汗の滲んだ互いの体を抱き締めた。そして、軽い喘ぎが漏れ出し合う唇を求め合い、重なり合った口の中で貪るように互いの舌先を絡める。
 深く繋がれた悦びと、行為に対する無意識の恥じらいが互いの体温をも上昇させているのか、それとも高鳴る鼓動と熱い吐息が二人を包む空気に温もりを加えているのか。心地良い熱気で時折意識がぼやけるような浮遊感に身を委ねていると、優しく分身を包み込んでいた熱い襞が焦らしに抗議するようにざわめき出し、それを合図にするように渚がしなやかな両足を、俺の腰に絡めてきた。

「朋也くん、あの……もう動かしてもらっても大丈夫みたいです」
「うん、もういいのか? じゃ、ゆっくり動いてみるな。痛かったら、ちゃんと言うんだぞ」
 こちらの返答にこくこくと頷きで返す渚。侵入を受けた膣が異物に馴染んできたのだろう、俺の方も相変わらずまとわりつく襞の感触は強烈だが、多少の余裕も出てきていたので、言われるがまま、抽送を始めることにした。
 ゆっくりと腰を引くと、二人の体液でぬめった分身が姿を見せる。渚の純潔を奪った証、赤いすじが付いていた。亀頭が入り口に引っかかったところで腰を止め、今度はゆっくりと押し進める。ぬめぬめとまとわりついていた襞がこちらの動きに合わせるようにさわさわと蠢き、ゆっくり動いているのに腰が痺れるような快感をもたらしてきた。
「うう、渚ぁ、オマエの中、すごく気持ちいい……」
「と、朋也……くん。わ、わたしも何か変な気分。あ、これって、気持ちいい……の?」
 性行為で女性が感じる快感がどういうものなのかは、男の俺には分からない。いや、渚自身、己の体を駆け巡る感覚が一体何なのか分からず、戸惑いつつその身を任せているのかもしれない。

 次第に動きが速くなる。
 渚と俺の喘ぎ声が二重唱を奏で、性器の結合部のぬかるんだ響きと重なり、淫靡な調べとなって二人を包み込む。
 とろけそうな意識の中、上半身はしっかと抱き合っていた。渚のしなやかな両足が俺の腰に絡められ、もっと速く、もっと奥までと無意識にさらなる抽送を要求する。限界はすぐそこまで迫っていた。……もう、止まらない。
 渚を気遣ってゆっくりとコトを進めるつもりだったのに、動かす度に押し寄せ湧き上がる快感はそんな俺の意思を理性ごと吹き飛ばし、本能の命じるままに腰を振らせた。
「と、朋也くん。わたし、もうダメ! もう、わたし……あん! 何かくるぅ! きちゃうぅ! イヤ! 怖い」
「な、渚ぁ、俺、オレも……もう!」
 途切れ途切れの渚の喘ぎ声も上の空。際限なく湧き上がる快感の嵐は腰から腿、背中へと広がり、一直線に駆け上がっていく。そしてその頂点で、俺ははじけた。
「うっ!」
「あーっ!」
 重なり合う絶頂の叫び。
 脳天まで突き抜けた強烈な快感が分身に向かって収斂し、熱い奔流となって一気に管を駆け抜け渚の中で迸った。そして熱い精液を浴びせられた膣が、最後の一滴までそれを搾り取ろうとぎゅっと収縮する。
 お互いの体が折れてしまいそうなくらい、強く抱き締め合って至高の快楽と法悦を分かち合うと、そのまま布団にぐったりと沈み込み、全身で荒く呼吸しながら次第に引いて行く快感の波の余韻に浸る。

 しばらく経って渚が口を開く。
「……良く分からなかったけど、すごく気持ちよかったです」
「そ、そうか。俺、何か夢中でその動いたから、どうだったのかなって……」
 抱き合いながら、まだ俺が渚の中に入ったままなのを思い出した。たっぷりと精を迸らせてすっかり大人しくなった俺の分身を、渚の中から引き抜く。
「あっと、と……」
 開いた花びらの奥から、こぽっと二人の混合液が溢れ、俺は慌てて傍らのティッシュを取り渚の股間にあてがった。透明な蜜と白い精液とわずかな破瓜の血の赤とが混じり合い、ティッシュは淡いピンク色に染まった。
「わ……、血が付いてる」
 覗き込んだ渚が、二人の体液を吸ったティッシュを見て、小さな驚きの声を上げた。
「ゴメン、やっぱり、痛かっただろ?」
「は、はい。でも途中からどんどん気持ちよくなってきて、最後なんて良く覚えてないくらいで……」
「いや、実のところさ、なるべく痛くないように優しくやろうとか、アダルトビデオみたいに体位の入れ替えとかしながらできるかな? なんて思ってたけど、そんなに上手く行くもんじゃないよな。あんまり気持ちいいものだから、途中からはもう無我夢中。やっぱああ言うのは作り物なんだなって思ったよ」
 渚は口に手を当てて、くすくすと笑っていた。

「じゃあ、ちょっとやってみませんか?」
「え?」
 渚に促され、今度は俺が布団に横たわる。
「うふ、すっかりちっちゃくなってる」
 渚がすっかり萎えた俺のモノをしげしげと見つめる。何をするつもりなんだろう。
「私にしてくれたこと、今度は朋也くんにもしてあげます」
「な、渚? うあっ!」
 言うが早いか、渚がいきなり俺のモノを口に含んでいた。もごもごとした唇の動きと絡まる舌先がもたらす刺激で、俺の分身はゆっくりと復活して行った。
「あ……」
「ほら、元気になった」
 あれだけの射精をした後なのにと、節操のない自分のそれに少し恥ずかしさを覚えた。

「私が上になりますね」
 そう言って、俺の上にちょこんと跨ると、すっかり元気を取り戻した俺の分身に手を添え、もう片方の手で自分の花びらを開くと、ゆっくりと腰を下ろし、俺のモノを再びその中に呑み込んだ。
「う……。や、やっぱりまだちょっと痛いです」
「無理すんなって」
「ムリじゃないです。私が、こうしたいから……」
 そのまま上体を倒し、俺の上に覆い被さる渚。熱い口づけ、柔らかな胸の感触。下半身では既に律動が始まっていた。絡めあった互いの口から、熱い吐息と悦楽の喘ぎとが漏れて行く……。

 ………俺たちは再び、快楽と法悦の中へと沈んで行った。

〜その後〜

 二人一緒の湯船はやはり狭い。
「あー、もっと大きなお風呂のある部屋にしたいよな」
 お湯が半分以上は外に流れてしまっていた。
「でも、これでもいいです。くっついていられますから……んっ! や、やっぱりちょっと滲みます」
「え? どこかケガでもしたの……」
 訊き終わる前に後悔した。
「も、もお! 朋也くんが……!」
 分かってるくせにと、渚がほっぺを小さく膨らませた。

「明日は晴れるといいなぁ……」
「そうだな、洗濯物、増えちゃったしな」
 今度は確信犯だ。
「も、もお! 朋也くんったらぁ!」
 顔を真っ赤にして、お湯の中に鼻先まで沈んで行く渚。
 実はあの後、渚は果てると同時に失禁をしてしまったのだ。少量ではあったが、シーツと慌てて押し当てたパジャマやショーツまでぐっしょりと濡らしてしまい、渚は半ベソをかきつつ俺と一緒に後始末に追われることになったのである。

 後ろから渚を抱いて、そっと囁く。
「いつまでも、一緒にいような? 渚」
「はい、私も、朋也くんとだったら、どこにでも行ける気がします」

 日々変わって行く暮らしの中、移ろい行く風景の中
 変わることのない繋がりと想いとを抱きながら
 俺と渚は今日も、長い、長い坂道を登っていく……

~fin~

 いかがでしたでしょうか? 私自身にとって初めての「18禁SS」。性行為を描くというのが結構難しく(文章表現ってのはそういうものですよね)、それでいて意外に楽しいと言う、私自身のアブない側面を再認識することに……。性描写もなるべく下品な表現は避けたつもりですが、どうだったでしょう? 個人的には、田中ユタカ先生のエッチコミックっぽくなるように書いたつもりですが。
 え? 次回作は……にはは

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