ウメバチソウ(ユキノシタ科)

高ボッチ高原  H17/8/27撮影

花期 9〜10月
    山野の日当たりがよい湿地
高さ 10〜30cm
    葉は茎を抱き1枚
花弁は緑色の脈が目立つ
    太く白い雄しべに糸状に裂開した
    仮雄しべがある
    これが梅の花を連想させる
和名「梅鉢草」は天満宮の梅鉢紋に
    似ている事から

『姫君の秘め事-ウメバチソウ』

5本の雄しべの周りにきらめいているティアラ?
ティアラの形をしている部分は「仮雄しべ」、つまり花粉を作らない特殊化した雄しべである。
5つの仮雄しべが夫々20片位に細かく裂けて放射状に広がり、先端に黄色の小球が宝石
のように光っている。
この光る球は、実は蜜の擬態である。甘い蜜のしずくと思ってアブが花に飛んでくる。
そして、本当は何の報酬もないニセの蜜をなめまわる。
その間に雌しべに花粉をつけさせるのが花の狙いだ。
以外にも姫君はテクニシャンなのである。
愚かなアブなどは姫君の手練手管の前にはイチコロだ。
何と、自然の神秘の奥深いことか !!

「山と渓谷」 ’05.9月号
  “野花手帳”多田多恵子氏 文 より抜粋