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白馬散策の旅(2006年春)


 白馬への旅はちょうど1年振りである。昨年は会社の旅行と野鳥の会の探鳥旅行で2回行ったのであるが、今回は1人旅。気ままといえば気ままだが、電車を乗り過ごさないかちょっと心配でもあったが、会社を辞めて1人で旅らしい旅をしていないので敢行をした。

 5月2日午後の「しなの」に乗って出かけ(松本からは普通)、3〜5日にかけて白馬を散策し、5日の直通臨時「しなの」で名古屋へ帰りました。神城にある弟の別宅(別荘というには小さな家)に泊めて貰い、あて先も漠然としか決めていない、1人で探鳥と散策をするというのんびりした旅程を決めただけの旅であった。

 神城の駅までは弟が迎えに来てくれ、とりあえず無事宿泊地まで到着した。家の付近は山桜が満開でしたが、今年は雪が多く、かなり遅れている。枝垂桜はまだほとんど蕾。数年ぶりの家もこの冬の雪で玄関の軒先が潰れて応急処置がしてあった。付近には雪下ろしした塊がまだ溶けずに随分残っていた。


 5月3日は弟に佐野坂の駐車場まで車で送ってもらい、去年野鳥の会愛知県支部の探鳥会でも行った親海(およみ)湿原、姫川源流と姫川の流れに沿って南神城まで歩き、サンショウクイ、キビタキ、ノジコ カワセミなど30種類以上の姿と声を楽しみました。また湿原と源流の間にあるドウカク山という小山にも登ってみました。ドウはトキの事、カクは巣を懸けるからきたと案内板にありましたので、これはひとつ登ってみなければと挑戦して来ました。

 親海湿原はまだ雪が溶けたばかりで植物はほとんど芽を出していませんでしたが、周りの木では鳥が思ったよりたくさん見ることができました。



 姫川源流は観光客も多く鳥をゆっくり見る環境ではありませんが、サンショクイが行ったり来たりしていました。 また、雪が多くて遅れていたフクジュソウは今が満開、ミズバショウもたくさん咲いていました。



 意外に良かったのは、源流から流れて小さな「姫川」になっている辺りで、ここまでは観光客も足を延ばしては来ず、対岸の湿地に生えている木に来るノジコなどを見ることができました。

 親海湿原、姫川源流とまわり南神城駅まで歩きました。合計してもそんなに長い距離ではありませんでしたが、3時間ほどかけて散策しました。駅へ着いて時刻表を見てびっくり。昼間は1時間半位の間隔でしか電車が無い!1時間は待たねばならない状態で、一区間乗るだけですから歩いた方が早い!という状態でした。

 しかし、急ぐ旅ではなし、ホームで休憩しながら線路の向こうの茂みに来るヤマガラを見ていたら、大阪の茨木から来たというハイキング姿のご婦人が来て「電車、当分ありませんね」などと話しているうちに時間はどんどん過ぎて行きました。この方は白馬はとても気に入って常宿にしているホテルへ行くのだという。途中、南神城で下車して姫川源流へ行ってきたのだそうだ。私も白馬と隣の小谷にまつわることを話題にして話が弾みましたが、結局は名前も何もお互いに聞かず、やっと来た電車の中でさようならを云って別れました。

 5月4日は、午前中は弟が雪でやられたベランダの修理をするのをちょっと手伝ったりして過ごし、お昼を食べにみそら野へ出かけました。帰りに同地でペンションを経営している野鳥の会の会員でもあるワタライさん宅へ寄りました。どうなるかわからない行程なので、近くへ来ましたのでということで突然の訪問をさせてもらいましたが、いろいろお話を伺いました。

>ワタライさん 
 突然お邪魔したのに、いろいろ楽しい話をありがとうございました。

 残念だったのは「もう3時間早く来てもらえば、羽化したギフチョウの旅立ちが見れたのに」ということでした。「急に暖かくなりカタクリの花も咲いたようなので、ダンボール箱のふたを開けておいたら自然に旅立って行った」そうです。でも後に残った、50位の抜け殻は壮観でした。片方の羽が伸びきらず飛び立てないのが1頭残っていましたが、全部が無事育つのは難しいそうです。

 ワタライさん宅を辞して家路につきました。5年前に来た時はすぐ南を流れる平川に仮設の橋が架かっており、これを渡ると飯森のザゼンソウ園へ山沿いに短距離で歩けたのでしたが、ワタライさんに確認すると撤去されてしまったとのこと。やむを得ず、みそら野をオリンピック道路まで歩きオリンピック記念橋を渡って飯森地区へ入りました。しかし、ザゼンソウ園は田んぼのはるか遠くに見えるものの1Km以上はありそうで、山沿いの道まで戻るのは諦めました。もっとも今年のザゼンソウは雪の下で長く我慢していたせいか黒ずんだものが多いとワタライさんとの話にあったので、ちょっと行く気が薄れたのも事実です。



 回り道したごほうびに白馬三山、八方尾根、五竜遠見尾根とつながる素晴らしいパノラマをオリンピック道路の平川に架かる橋の上から見ることができました。橋の中ほどは広くなっていて、さしずめアルプス展望台?となっており、案内板もありましたがどうも実際の山と結びつかず悩みました。上の写真の左下は八方尾根を少しアップで撮ったものです。ワタライさんのペンションはこの写真の右下の森の中にあります。

 飯森の民宿街へ入り長谷寺裏をとおって一夜山の裾を巻くコースをとりました。この道は五竜とおみでスキーをした人が飯森の民宿に下る道だったようで、そんな道標を見ましたが、今はそんな利用をする人は少ないんじゃないかというのが冬季住民の弟の言でした。もう少し雪が少なくなっていれば、一夜山(城跡がある)そのものに登るコースもありますが、多分雪が多いだろうと推定し今回は山裾を歩くことにしました。長谷寺の裏は墓地に続いてお花畑があり、可憐な花が咲いていました。

 左のショウジョウバカマは樹間からもれる陽光で、まるでスポットライトが当っているようでした。カタクリは群生とまではいきませんが、2,3株づつかたまってあちこちに咲いていました。

 道は一夜山山麓のうっそうとした杉の林に入り、眺めも良くなく鳥の声もほとんどしなくなりましたが、コース終わり近くでオオルリ♂を間近に見ました。この時のオオルリはまださえずりはせず、虫の鳴くような声がしたので振り返ると枝に留っており山道の雪解け水の流れでちょっと水浴びしてまた枝に戻りました。発見場所は飯森配水池の近くでした。このあたりには残雪がかなりあり、雪で折れた杉の枝が道にもかなり散乱していました。


 5月5日は家の周辺、というよりは上下を散策しましたが、曇天のせいか収穫は少なく、登ったり降りたりで足の筋トレとなりました。上のほうにあるカタクリ群生地で有名な五竜カタクリ苑では、花が無いまま恒例のカタクリ祭りをしていました。今年は雪が多かったせいか植物は若干遅れているようです。




 カタクリ苑からさらに少し奥へ入った道端に湧き水があり、ステンレスのコップが置いてあったので一杯飲んできました。なかなかの甘露であった気がしました。さらに奥へ行くと道は下りになり、眼前にちょっと大きな砂防ダムが見える所へ出ました。このあたりは樹木はまだ芽吹きだしたところで、残雪がある川底も透けて見える状態でした。鳥の声がしきりにするので路傍の倒木に腰を下ろして探してみると、キビタキがいったり来たりして鳴いていました。山側にもヒガラ、エゾビタキなど何かいるようですがなかなか姿を見せてくれませんでした。

 下の方の別荘地では、ドラミングが聞こえアオゲラをチラッと確認しました。また、キビタキ、オオルリなども姿を現わしてくれました。

 今回の旅は、スキーシーズンが終った(連休中は営業している所が多いが閑散としていた)スキー場ということで比較的静かで、鳥を見ながら散策という目的はほぼ達成できた。今年は雪が多くまた遅くまで降ったという事で植物には少し早いという感じでした。例年ならカタクリは満開のはずであったが全然少なく、代わりに遅れていたサクラ、フクジュソウが見れたし、若干飛来が遅れていたオオルリ、キビタキも何度か見れたので、まぁ良しとするかというところであろう。


 この文章で使った写真を大きく、スライドショウで見ることができます。ただし、1枚ずつの写真は200KB前後ありますので、光かADSLで接続している方のみにお勧めします。
              白馬散策の旅(2006年春)(Lumix Club 写真集へリンク)





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