1 初めに/調査概要

1−1 初めに
 2008年4月から2009年3月までの1年間、名古屋市依頼の野鳥生息調査を手伝った。名古屋市内で51箇所に及ぶ調査箇所が選定されている。私の担当した箇所は自宅に近い、高座結御子神社・高蔵公園である。この調査は1975年(昭和50年)からほぼ5年(間隔が4年だったことが今回も含めて2度ある)ごとに続けられているが、私が参加したのは1989年(平成元年)が最初で調査地もこの時から加えられた。したがって当地の調査、私の参加回数ともに5回目ということになる。

 この調査結果は2010年の春には冊子(表題は従来名が踏襲されるとしたら、「名古屋の野鳥」 になるはずである)となって公表される予定になっているが、約1年後であるため私の調査地点を先行して自分用にまとめたものである。

 公表されるものは、私の報告をもとに作表・編集されるので全く同じではないが、この1年の調査内容がほぼ同様にわかるはずである。特に写真集は報告する内容にはなっていないのでこのページのみでの公開である。

(追記)
 2010年5月に印刷された「名古屋の野鳥」が送られてきた。今回はCOP10を意識してか表紙と巻頭言に英訳がはいっていた。
1−2 調査地概要
 神社をとり囲むように東、北、西が公園となっており、市街地の中に位置している。神社は子育ての神様として有名で、境内の井戸をのぞかせて虫封じをする神事がよく知られている。一帯は近年マンション開発が進み、大きな建物の谷間になりつつある。

虫封じのお祭りは、毎年6月1日に行われる

 神社と公園は境界のフェンスはあるものの、ほぼ一体となっており、クス、ケヤキ等大きな古木が多い森となっている。周辺の開発や台風等による損傷で樹勢は年々衰えているようで、調査のたびに隙間の多い森となっているのが気ががかりである。

強風が吹いた翌日、公園側から神社との境界を見る

 鳥類は街中にあってあまり大きな森でないせいか、移動の途中に通過してゆくものが多いとみられ、一度に見られる種類・数とも多くはないが、散歩の途中に立寄って見るには都合の良い場所である。

神社境内、広くはないが古木が多い

神社境内と公園の一部は特別緑地保全地区と
名古屋市野鳥保護区になっている
1−3 調査内容概要
 今回の調査ではつきに1回以上、ただし4、5、9、10月は繁殖・渡りの時期であることから2回以上の調査をすることになっていたが、合計71回調査をした。平均では5.9回になる。一番多く通った月は4月の12回、ついで5月の11回であった。また一番少なかった月は8月の3回であった。調査表への記載は種毎に各月で一番多かった日の分を書くことになっていたので、1種でも多く書けるよう渡りの鳥が見られる4月5月は足繁く通ったのである。

 今回の調査では年間を通して30種類の鳥を見ることができた。季節的な平均値では、春(3〜5月)19種、冬(12〜2月)16種、秋(9〜11月)15.3種、夏(6〜8月)9.3種 であった。月別に見ると、多かった月は4月22種、少なかった月は7月7種、8月9種であった。7、8月を除けば毎月ほぼ十数種類の鳥を見ることができた。しかし4月5月は多かったものの期待していた鳥(ルリビタキ、オオルリ)には会えなかった。小さな調査地であることからその日1日だけ滞在という鳥もいるから止むを得ないと考えている。

 毎月見ることができた鳥は、キジバト、ヒヨドリ、スズメ、ハシボソガラス、カワラバト(ドバト)の5種であった。

 春には、メボソムシクイ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、キビタキ、コサメビタキ の夏鳥の渡り鳥が見られた。秋にはマミチャジナイ、カシラダカ といった当地では初めての鳥も見られた。 また冬には、シロハラ、ツグミ、シメ が常駐していた。

 (以上の詳細は、2 調査記録 3 写真集 参照)

 3月に名前の特定は難しかったが、公園でハトを捕えて神社に逃げ込むタカに出くわした。神社の森の中では羽が散乱している所を時々見るが、タカの採餌跡と思われ、このような街中にもタカが出没していることを確信した。

タカが狩をした跡(羽毛がある) タカが採餌をしたと思われる場所