野鳥、旅、その他
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ごみ減量化推進愛知県民大会へ参加して
2002/10/23
愛知県中小企業センター



 10月23日、ごみ減量化推進愛知県民大会に行ってきました。
ガイヤシンフォニー第4番も見てきました。

 野鳥の会の案内で知った題記大会でしたが、ガイヤシンフォニーに惹かれて?申し込んだら首尾よく入場券を送って頂けました。今回はガイヤシンフォニー人気で、この大会始まって以来の入場者数だそうで、会場はほぼ満員でした。

 神田知事、来賓の挨拶、優良店の表彰と型どおり進み、藤井絢子さんによる「みんながグリーンコンシューマー」という題で講演がありました。

 講師の藤井さんは滋賀県環境生活協同組合理事長肩書きですが、琵琶湖を合成洗剤の汚染から守ろうという運動を始められた方で、今は環境省中央環境審議会委員などでも活躍されている方です。講演では、大変ショッキングな事例と興味深い活動の内容と、そして私達の生活で反省しなけらばならないことを幾つか教えていただきました。講演の中で気になってメモしてきた事項を基に、断片的ですが講演の内容を以下に書いてみます。

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藤井さんの講演から
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 世界に3,000基あるといわれる焼却炉のうち2,000基が日本にあるという。そのせいか日本人の母乳に含まれるダイオキシンの量は世界一で、戦争で枯葉剤を撒かれたベトナムははるか下の位置である。
 これはゴミの処理が多くの国では埋立てであるのに、日本では焼却に頼っていることが原因であると思われる。

 日本では発生した廃棄物を、分別収集などによりいかに処理するかが廃棄物処理の主眼になっている。この方法は一時的にゴミの量は減るが、分別して集めてもらえばそれで済むという感覚からか、2,3年経つと横ばいになる。ドイツではゴミを発生させない(回避する)法律を作っている。
 ドイツでは、各家庭で用意するゴミ回収箱で料金が変わるが、スーパーでは極力包装を少なくし、かつレジを出た所で要らない包装は外して即回収してしまい家庭でのゴミの発生を徹底的に少なくしている。

 あらゆるものを再利用する趣旨で作られた、資源の循環法(この名前はちょっと正確にメモできませんでした)はゴミまわし法と化している感じがする。
 容器包装リサイクル法はこの法律が出来たために、ペットボトルの多様化・大量生産に拍車をかけ(これが出来るまでは500ml以下の小さなものは作られなかった)年20億本のペースで増えており、回収量は増えているというものの増加には追いついておらず、回収されたものの行き場がなく講師の住む滋賀県では中国へ輸出されているという。
 しかし古着は世界的な需要が少なくなり、焼却に回される県が多くなったことを考えると、ペットボトルも同様にならないか心配である。

 水については多国籍企業が水屋さんになろうとしている動きがあり心配である。近々WHOが水質基準を出す予定であるが、多分多くの国で飲料に供されている水はこの基準を満たせず、多国籍企業がペットボトルに詰めた水を輸出しようと考えており、人間生活に不可欠な水が一部の企業に牛耳られることにならないか心配である。

 (講師達の始めた)琵琶湖を守るためそのまま流すと汚染につながる使用済み食用油を集めて、琵琶湖を汚染させないために合成洗剤に代わる石鹸を作る運動も、手を抜くと低調になってしまう。(最近はせっかく集めた廃油があまり気味になっているという)
 これを回避するために、最近は原発全廃を決議しているため化石燃料温存が不可欠なドイツで行われている、菜種油のエコプロジェクト(空いた農地に菜種を植えて菜種油を採取し、これをジーゼルエンジン用の燃料(バイオディーゼル用燃料;BDF)にしている)を参考に、余る油をジーゼルエンジン用の燃料として使う工夫を始めた。当然量的には不足するので、滋賀県愛東町の休耕田に菜種を植えて補完しており、休耕田の活用にも役立っている。

(私としては、日本では浮遊粒子状物質の規制がやっと厳しくなることになったジーゼルエンジンであるが、この問題をドイツではどうクリアしているか気になるところである。残念ながら質問の時間はありませんでした。)

 この他講師が良く調査に行っているドイツのリサイクルの例として、従来は処分してしまっていた公園などの植栽を剪定した枝葉などを集め、ペレット化して家庭用のファンヒーター(排気は外へ出すタイプ)用の燃料にしており、日本でもこの試作品が近々できる予定になっており、間伐材の活用になることも話された。

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 藤井さんの講演は大変中味の濃いもので、ゴミは処理することばかり考えるのでなく、発生することを少なくすることが大事、また私達の生活でよく考えてみるとおかしい?と思うことは考え直して、賢いコンシューマー(消費者)にならなければならない、ということを示唆してくれるものではなかったかと思います。

 この手の講演ではどうも眠くなってしまう私も、今回は最初から最後まで興味を持って聞くことができ、時間がわずか40分しかなかったことが、講師も残念がっていましたが私も残念でした。

 ガイヤシンフォニーの方は期待していたとおりの内容でした。映画の概要は末尾に書いたURLに掲載されていますので詳しくは書きませんが、私は今回の4人の出演者の中で最も関心があったのは、野生チンパンジー研究家のJane Goodall(ジェーン・グドール)女史でした。

 女史の話の冒頭、トッカータとフーガのパイプオルガンによる音楽が鳴り、何か神秘的なものを感じさせました。事実女史の口からは、研究に行きづまった時には、何か(神というよりは自然の力?)に導かれるように解決の糸口が見つかったことが語られました。音楽の使い方もこの映画では上手です。

 また、興味深かったのは、チンパンジーは、最も人間と近いDNAの配列となっており(98%?)、愛、悲しみ等の感情があり、高い滝の流れ落ちる場所を通りかかると、そこでは近くの木をゆすり体を動かすことが確認されており、自然への畏怖を表すことができ、信仰心もあるのではないかということでした。

 最後に、21世紀に生まれ育つ子供たちのために女史からのメッセージは、Hope,Love,Understanding でした。

 ガイヤシンフォニーは2番、3番を見た時もそうでしたが、見終わったあと地球(ガイヤ)との関わりをこんな素晴らしい関係で過ごしている人たちがいる、と感動を与えてくれる映画です。
ガイヤシンフォニーの公式ホームページ
 http://www.gaiasymphony.com/ 


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