まぼろしの上高地



 私は上高地には行ったことが無いが、見たことがある。上高地が話題に出ると、こんな人を食ったようなことを言っていたが、これは本当のことである。

 昔、昭和35年か36年の夏のはずだ、学校のキャンプに人数にまだ空きがあるからと誘われてその行事に参加したことがあった。その時のキャンプは今では新穂高温泉と呼ばれる辺りと記憶しているが、上高地とは谷を一つ隔てた所だった。
 行事の中間で焼岳への登山があったが、大半は中尾峠への登りでバテてしまい、それ以上の登頂は中止となった。しかし中尾峠からの眺めは素晴らしく、眼下に大正池や梓川の流れがはっきりと見えたのである。

 これが先ほどの、行ったことはないが見たことはある、訳である。その上高地へその後40年余にしてやっと行くことが出来たのである。


 旅行社のバスツアーを利用して、会社のいわゆる慰安旅行を企てた、他の参加者とはちょっと違う雰囲気の我々6名はガイドさんに反乱を申し出て、本当は駐車場で解散なのに大正池バス停で途中下車をした。このほうが行程が合理的だからである。
大正池
 上高地への門、釜トンネル入口。

 上高地へ入るにはこの釜トンネルをくぐらなくてはいけない。1車線しかないのに交通量は多く、長い信号待ちのバスの中から見た釜トンネル手前の洞道が左である。
 大正池バス停から見た焼岳。山の右側が中尾峠側。

 大正池から田代池へは初めは大正池のほとりを歩きますが、途中で川べりのコースと林間コースに分かれますが、川べりのコースは手入れ中だとかで、林間コースを歩きました。
 オシドリの雌雄

 上高地にはオシドリがいる、ということは耳学問で知っていたが、大正池畔を歩き出してすぐ出迎えをしてくれました。

 上高地のカモ類は渡りをしないそうです。
 マガモの雌雄

 マガモもいました。いじめたりする人がいないせいでしょうか、近寄っても逃げません。むしろ近づいてくるようです。きれいな水に棲めて幸せなマガモさんです。

 梓川の川辺林。

 大正池の幅もせばまり川の流れになりました。州になった所にはケショウヤナギが立っています。湿地帯から一番初めに生える木だそうです。
 田代池への道

 よく整備されており、水の多い湿地帯ではこんな「橋」が続いています。
 途中広い川原があり、焼岳の雄姿を眺めるには絶好です。

 この写真では雲がかかっていますが、雲の無い時に双眼鏡でのぞくとわずかに噴煙が立ち昇っていました。