たぬきの災難
今夜はまん丸お月様
浮かれた狸の親子が里へと繰り出しました。
子狸は初めて見る人間の住み家を見て好奇心いっぱいです。
「一番怖いのは犬だから気を付けるんだよ〜父ちゃんの尻尾を咥えて離れないように」
父狸は美味しい食べ物を見つけるのに必死です。
やがて村外れにやって来ると月明かりに芋畑が浮かび上がっていました。
親狸はそこを掘れば甘い芋があることを知っていました。
土を掘ると赤い芋が繋がってゾロゾロ出てきました。
一口囓るとあまりの美味しさに夢中で食べてる子狸 親狸も久しぶりのご馳走に油断してしまいました。
気が付いた時は犬が前に牙を剥いていました。
親狸は猛ダッシュ 犬も吠えたてながら追っかけて行きました。
取り残された子狸は泣きながら父ちゃんを捜して歩き回りました。
大きな家の前に来ると月明かりにぼんやりと照らされて父ちゃんらしき影が見えました。
「とうちゃん 怖かったよ〜」
飛びついて抱きついたら・・・何か何処か違う。
首から順番に手探り下へと触ってみる。
「デカイ! 何だこりゃ〜!父ちゃんはこんなにデカクないや」」
また泣きながらとぼとぼ歩いて行きました。
月が西に傾く頃 我が家に辿りついていました。
父ちゃんは先に帰っていて子狸を置いて来たので母ちゃんに咎められている最中でした。
子狸の顔を見るなり母ちゃんは飛びついて来ました。
あのデカイ不思議な物体の話しをしたら母ちゃんは一度見たいから連れてってというけど道を記憶してないなぁ〜