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生け花

 習っているのは「柳古流」です。明治年代末に創流された流派です。
高校の時より初め、途中、何年かは休んでいましたが、娘が生まれた年に師範を頂き、今では、月に一度、研究会に出させてもらって勉強してます。やればやるほど難しくなり大変です。
ここでは研究会の花と気ままにいけた蘭の花を紹介します。




             2004年10月
          葉蘭 (ハラン)
             花器−寸胴
                形−草流し、巣作り 

草流し 長く水平に真横に出す、その分、行は短く少し手前に出す。
巣作り クモが葉を丸めて巣を作るさまを表してる。

  葉蘭   ゆり科、「葉の大きいランのような植物」の意味。  品種 シマハラン(白い縦じまの斑のあるもの)。アサヒハラン(葉先に白い斑の入るもの)。 水揚げ 水切り。 別名 バラン、バレン、ヒロハなど。




             2004年11月
          万年青 (オモト)
             花器−寸胴
                形−本手

ためがきかないので葉のそりの合うものを選び、組み合わせ様にする。霜よけ葉は寒くなるにつれて低くする。今回は真の前と後ろが短すぎた、万年青に嫌われたようだ?

 万年青  ゆり科、大分県の御許(おもと)山に産するものが最も良いと言われたため。または全体が大ぶりの株になるので、大本(おおもと)の意味もある。漢字の「万年青」は葉が枯れることなく長い間、緑をたもているので付けられた。生花では祝いの花として古くからいけられた。また、転居の際に万年青を人より先に新居に移せば、方位の難を免れるといわれている。  品種 都万年青(覆輪) ダジョウカン(青葉)などが生花に使われる。他に愛好家は古くから栽培し、葉形や斑の変化したものを改良し名称をつけている。  


             2004年12月
          水仙  (スイセン)
              花器−寸胴
                  形−草流し 

草流し 長く水平に真横に出す、その分、行は短く少し手前に出す。
真の頭が中心に来るように、ハカマのつめは前に来るようにそろえる。
矯めるときに松葉で留めるが一組の葉に対して真と草は3本ぐらい、行は2本ぐらい、活け終わってから出すぎてる松葉は整理する。
活けるときに花は真が中開き、行は蕾、草は開花した物を使う。
真は行に添わせるように入れ、中矯めをもっとしっかりやる。行以外は、下まで入れない。

  水仙   ひがんばな科、湿地に生育し、生命力が仙人のように長く、かつ清らかさを持っていることに由来する、漢名の「水仙」の音読み。
 スイセンの仲間はヨーロッパ西部と南部、アフリカ北部および地中海地域に50〜60種が分布する。学名のナルキッススは、ギリシャ神話の美青年「ナルキッソス」の名にちなむと言われる。水に映った自分の姿に恋をし、恋いこがれて疲れ、ついには死んでしまい、哀れんだ神々によって1本のスイセンの花に変えられた若者。または、ギリシャ語の「ナルケ」麻痺させる、から由来する。
 ニホンズイセンは日本各地の海岸沿いに野生化して群落を作っているが、地中海地域の原産で、中国を経て渡来したらしい。




              2004年12月
           黒松 白梅 千両
              花器−信楽焼、壷
                 形−正月らしく自由に







              2005年 2月
              梅、椿
              花器−水盤
                 形−傾斜体、盛り花

椿を生けるときは、頭は葉を取り軽くし、根元は葉を入れて剣山を隠すように入れる、

  椿   つばき科、日本、中国原産、葉が厚いので「アツバキ」から「ツバキ」になった説と、つやのある葉、「ツヤバキ」から「ツバキ」になった説が有る。「椿」は春に花を咲かせ喜びを伝える木の意味から日本で作られた国字。漢名は「山茶」である。庭木としても普及しており園芸品種も非常に多い。

  梅   ばら科、中央アジア原産、「うめ」は漢名の「梅」を漢音では「mui」または「mei」と発音するが、これを日本的に読んだものから来る説が有る。「万葉集」には宇米・有米・烏米などが持ちられている。
 中国から薬用植物として平安時代の頃伝来し、その後、花の美しさから江戸中期には栽培が盛んになり、300種類以上の園芸品種が有る。
 薬用としては下痢には青梅の焼酎づけ、風邪には梅干を焼いて飲む、頭痛止めには梅干の皮をもちいる事などが有る。




              2005年 3月
           桜
              花器−寸胴
                 形−逆勝手

逆勝手 本手の逆に生ける。
左右逆に生けるため手の扱いも逆になるため入れにくい、研究会の時は、あしが短すぎたため、家で入れ直したところ、行が短いようである。

 桜  ばら科、さくら属の総称で、「さくら」と言う種名は無い。
 語源については神話時代の歌の一節に「さきくにさくらん、ほきくにさくらん」と言うのがあり、この「さくらん」が「さくら」になった、と言う説。
 花がうららかに咲くので「さきうら」となり、それが「さくら」になったと言う説。
 「木花開耶姫−このはなさくやひめ」 神話の神様の名前で「さくや」から変化したと言う説、などいろいろある。




              2005年 4月
           木五倍子(きぶし)、アイリス、鳴子百合
              花器−壷
                 形−投入、傾斜体

  自分的には気持ちよく入れたのだが、真の前とアイリスが一本短すぎた。







 木五倍子 キブシ科はキブシ属だけで、アジア東部、ヒマラヤに仲間が数種あり、キブシは日本の固有種である。語源はフジの花のように総状花序に花が咲くから、と言うのと「木付子」と書き、実を五倍子(ごばいし)つまり付子(ふし)の代用品に使うために名づけられたと言う説がある。
 五倍子とはヌルデにつく虫こぶで、古くは着物の黒灰色の下染めに使われたタンニンを採る材料である。
 早春の山里などで咲いていると風情があり好きな花木の一つです。庭木としては向かない種類だが花を見ると欲しいと思い、最近、一本手に入れてしまいました。 




              2005年 5月
           太井、杜若(かきつ)
              花器−小判型水盤
                 形− 太井(15本)本手、杜若(花‐2本、葉-5組)逆手2株

 太井は本手で杜若の2倍の高さ、行、草、とも基本より長めに、真(6本)、行(5本)、草(4本)、はっきりわかるように、足元は円く納まるように。 杜若は逆手で、葉組みを間違えないように、女性的に。
 我が家に小判型の水盤が無かったので四角い水盤にて、全体的にはきれいに入ったが、太井はばらつきすぎ、杜若はもう少し女性的に入れたほうがよかったかな?





 太井 カヤツリグサ科、細くても太井?この仲間では太い植物で、他にホソイがある、比べるとはっきり判るそうだ。日本全土の池、沼に群生する多年生草本。草丈は1〜2mになる。
 杜若 カキツバタ(アヤメ科)「書き付け花」の意味、花のしるを布にこすりつけて染める昔の行事によるという。




             2005年 6月
      美央柳、菖蒲、撫子
            花器−水盤
                形−盛花、傾斜

 真を左斜め前に出す生け方、普通は中間は真より低く生けるが、菖蒲の場合、かなり高めにする。葉は3枚入るが、生花と違いばらして葉組みは関係なく入れる。
 美央柳の枝を落とすのが難しくて今回もつい落としすぎてしまった。簡単のようで難しい。


 びようやなぎ オトギリソウ科、中国原産、半落葉低木、樹高は1mぐらい、語源は「未央柳」または「美容柳」会報では「美央柳」、その花のうつくしいこと、枝、葉の細いことをヤナギに似てることから付けられたらしい。
 菖蒲 花菖蒲、アヤメ科、花の咲くショウブの意味。日本原産で、わが国独特の花で、水辺湿地に栽培される多年生草本、園芸品種が非常に多い。端午の節句でやる、ショウブ湯はサトイモ科の植物の葉で花菖蒲とは別物である。
 撫子 ナデシコ科、ナデシコといえば、「カワラナデシコ」でヨーロッパから日本にかけて自生する草丈、50cm前後の宿根草、語源はかれんな花の様子にちなむ。切花などに使われる園芸品種はかれんさがなくなっているような気がする。




              2005年 7月
           桧葉(ひば)
              花器−寸筒
                 形− 格花、本手

 桧葉、5本を使い、生花の基本中の基本、足は長すぎないように、下枝を綺麗に落とす。
 草が短すぎたかな?





 桧葉 (しのぶひば) ヒノキ科、日本原産、古くから庭木や生垣用に栽培されており、植物学上では「サワラ」の変種となっている。「しのぶひば」は細く出た枝の状態をシダのシノブの状態に見立てて名づけられた。





             2005年 8月
      サンスベリア、酸漿(ほうずき)、晒箒草(さらしほうきぐさ)
            花器−コンポート
                形−自由   

サンスベリア5枚、ホウズキ1本、晒箒草少々、花器は会場にて好きな花器を選び、花器に合わせ、自由な発想のもと、形にはまらずに生ける、と言うものの、これがなかなか難しい、今まで形どうりに生けて来たものを自由にと、どこまで自由にやっていいのか解らない?







 サンスベリア  ユリ科、熱帯アフリカ原産、観葉植物としてよく出回ってる植物 「トラノオ」 マイナスイオンを出す植物と流行った事もあった。
 酸漿  ナス科の多年草、東南アジア原産、「ホオズキ」が正しいようだ、由来はいくつかあって、「頬突き」で女の子が口にふくんで鳴らす、 「ほほ付き」でホホ(カメムシ)と言う害虫がよくつくことから、 「火っ付き」で火のように真っ赤な実がつくから、などの説がある。
 晒箒草  アカザ科、ヨーロッパ中南部から温帯アジア原産の1年草、日本には中国から渡来した、名前は草姿がホウキ状だから、生け花で使うのは漂白したものが多い。




              2005年 9月
           ユーカリ・スターチス
              花器−寸筒
                 形− 格花、自由

 私は始めてやるやる素材、格花で自分の好きな型に生ける、とりあえず本手に生けました。
 ユーカリが以外にためが利きゆっくりやれば問題がないが、ちょっとあわてると折れてしまう、先端は柔らかいので少しつめた方が良さそう。
 ユーカリで真、行、草、入れ、ウズミ、ノゾキ、真の前、行の中添えにスターチスを入れる。
 最後に足を留めていたのをほっどくと足が着いていなかった、生花で足が着かなければ話にならない。
 あとは枝を落としすぎたような気がする。







 ユーカリ フトモモ科、ユーカリプタス属、オーストラリア、タスマニア、ニュージーランド、ニューギニアに600種類が分布。
 属名の Eucalyptus はギリシャ語の「eu 」よい、と「kalyptos 」覆う、の意味で花が帽子状の萼で覆われてることに由来する。
 コアラが食べることで有名、花材としてはギンマルバユーカリ、コマルバユーカリ、ツキヌキユーカリなどが使われてる。繁殖は実生。
 スターチス イソマメ科、リモニウム属、世界の海浜および草原に150種、日本にも2種類が分布。
 旧属名の「Statice 」そのまま一般名として使用されてる、属名の「Limonium 」はギリシャ語の草原の意味から由来する。
 ドライフラワーとして使用するのが一般的、寒さに弱いので日本では実生繁殖が普通。




             2005年10月
          葉蘭 (ハラン)
             花器−寸胴
                形−草流し、巣作り 

   草流し 草は長く水平に真横に出す、その分、行は短く少し手前に出す。
   巣作り クモが葉を丸めて巣を作るさまを表してる。
        草の半分より短めに入れる。
        

 季節的には春だそうです、秋には虫食いの葉を入れるそうです。巣は画像では分かりませんが草の上に乗っかっています。去年も研究会でやりましたが、今年は全然、形にならなかったです。あせれば焦るほどおかしくなる一方で、ばらばらになってしまった。反省の一言!






              2005年 11月
           サンカクアカシヤ・薔薇
              花器−水盤
                 形− 盛り花、傾斜対
       盛り花の基本、バラの配置のバランスが難しい








 サンカクアカシヤ マメ科、オーストラリア原産、ハンター河畔の密林の中に潅木林を成してる。1820年ヨーロッパに紹介され、わが国には明治20年に渡来した寒さやや弱い、名前は葉が三角形に由来する、また、葉がうろこ状に重なりあって密生しているので、牧野博士は「ウロコアカシア」の和名をつけた。





             2005年12月
          石化柳・若松
             花器−寸胴
                形−格花・本手 



   本手 生花の基本、石化柳 5本 若松 5本
     石化柳を基本に若松を添える形
       石化柳のかたちの面白さを出すように使う
         生け込みが終わり、出た後に、バランスを崩しばらばらになってしっまた、
           石化柳は頭が重いので寸胴に剣山などを入れてバランスをとると良い、
             これも未熟ゆえのこと、反省!


 石化柳 ヤナギ科、俗称がセッカヤナギと呼ばれてるが「オノエヤナギ」の帯状化したもので、成長過程における、細胞分裂が異常を起こし帯状になるようだ。
「オノエヤナギ」は北海道、本州、四国の湿地や河原に生える落葉低木〜高木。名前は尾上柳で、山の上に生えるヤナギという意味だが、実際には山の上では見かけることがほとんどないとのこと。

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