坐骨神経痛は、腰や下肢が痛む、しびれる、力が入らない症状を総称した呼び名です。特に、お尻から太ももの後ろ、ふくらはぎにかけて、身体を動かしたときに痛みが出、腰痛を伴うこともあります。
坐骨神経は、腰から足にかけての感覚をつかさどる大きな神経です。坐骨神経痛の原因の多くは、腰椎の椎間板ヘルニアで、坐骨神経の神経根がヘルニアにふれ、腰を動かすたびに刺激をうけて痛みがおこるわけです。この他に、腰椎の脊柱管狭窄症がありますが、原因の解らないものもあります。
椎間板ヘルニアは、以前は,手術で取り除かない限り治せないと思われていましたが、現在では自然治癒力でヘルニアが縮小することがわかってきています。
はり治療では、経絡を調整し自然治癒力を向上させ、また、腰部等の反応に適切に直接施術し症状の改善を行い、病気を治します。
背骨は、腰に5個・背中に12個・頸に7個の合計24個の骨(椎骨)から構成され、その下に仙骨・尾骨があります。この椎骨と椎骨の間に椎間板があり、足等に加わった衝撃が直接頭に伝わらないようにクッションの役割をしています。
椎間板は、中心部に柔らかいゼリー状の髄核があり、この髄核を袋状に取り囲むようにして線維性の軟骨からできている線維輪(せんいりん)で構成されています。この線維輪が外傷やギックリ腰・老化等により損傷し、その部から髄核が突出し(ヘルニア)、直接、腰から足に行く神経を圧迫し、お尻から足の後面にかけて、痛みやシビレを起こす病気です。特に腰の下部(第4腰椎と第5腰椎の間、次に第5腰椎と仙骨の間)にヘルニアが起こりやすい。
また、同様なことが首の椎間板に起こると、首から肩・腕にかけて痛みやシビレを起こします。
以前より“はり治療”では、治療により症状が改善することは経験上わかっていましたが、最近になって西洋医学でもヘルニアの部分が自然治癒力で縮小することがわかってきました。