腰痛は、人間が2本足で歩くことを始めて以来の「宿命の病気」と言われ、子供から高齢者まで年齢層も幅広く、日本はもちろん欧米先進諸国でも非常に多いい症状です。
腰痛の原因としていくつかありますが、その一つが疲労です。重い荷物を持っていると腕がだるかったり痛くなりますが、荷物を降ろすと痛みは取れます、このように筋肉の疲れが痛みになります。腰も同じですが、腰部の筋肉が疲労して腰痛がおこることについては、あまり気がついていないようです。そのため、腰痛をおこしたあとでも、腰の筋肉を疲労させるような生活をしているために腰痛がとれず、時に悪化します。<br>
また、腰痛を感じる時、それと同時か、しばらくたってから、足にも痛みが広がり、時にシビレを感じることもあります。これは、腰の異常によって、腰から足に伸びる神経も障害を受けるからです。時には、腰痛が軽くなったり無くなったりした後でも、足への痛みやシビレが残り、日常生活に支障をきたすことも多く見られます。これらの代表的病気に椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症があります。<br>
このほか、足腰の冷え・精神的ストレス・運動不測・自動車の運転・長く座る・激しい運動・悪い姿勢・肥満なども腰痛の原因となりますが、西洋医学では、原因が特定できない腰痛が85パーセントに上る現実があります。<br>
いちど、ぎっくり腰を経験すると、再度おこす確率がかなり高くなります。このようなばあいは、定期的に治療を受けるか、身体が疲れたときや、腰に張りや重さを感じたときに早めに治療を受けることをお勧めします。
腰は、主に膀胱経と督脈が循る所ですが。腎経も貫き、また、横を胆経が走っています。腰は腎の腑であり、腰は腎の都会であると言われる位に腎の病気の顕現するところです。
鍼灸重宝記には、腰は一身の大関、六経の懸るところ、
太陽(膀胱経)の腰痛は、項背尻に引きせなか重し。
陽明(胃経)の腰痛は、左右へかへりみられず強りかなしむ。
少陽(胆経)の腰痛は針にて皮をさくがごとし俛仰ならず。
太陰(脾経)の腰痛は、熱して腰に横木あるが如く遺尿す。
少陰(腎経)の腰痛は、張弓のごとく、黙々として心わるし。とあります。
実際の治療では、これらの症状が単独で現れるのでなく、幾つかが重なり現れます。また、腰部の症状だけでなく、腰部以外の全身の症状や脈を診て病気の状態を把握し、身体の状態を整え、自然治癒力を高める必要があります。腰部の疾患は当院の最も得意な疾患の一つです。