①「大腸癌」になって、それで感じた事。
咬んで食事が出来る事、
これはとんでもない幸せな事、とんでもない喜びです。
ある日突然親友のH君よりメールが入りました。
「俺、大腸癌で入院するよ!!」
時々会ったり電話したりしていましたがそんなこと等一言も言っていませんでしたので本当にびっくりしました。
前々から気になる症状が出ていて、自分で癌ではないかと思って検査を受けたら予想通りの「大腸癌」で直ぐに入院、そして手術しました。
消化器系の手術ですので術後は口からの食事、水飲み等は一切出来なくて、体中に何本もチューブを付けて、数週間点滴だけで飲まず食わずでした。
この状態がいかに苦しかったかを又メールで知らせてくれました。
「点滴で栄養補給は出来ていますが、口で咬んで食事が出来ない我が身は、
食べ物の味わい、硬い、軟らかい、好き、嫌い、冷たい、暖かい、咬む刺激、歯ごたえ等の感覚、感触は一切感じる事が出来ません。
ましてや点滴ですので、昨日食べたステーキは美味かった!!等と、楽しかった食事を思い出す事も有りません。
それに満腹感がないのです。この状態がいかに寂しく辛い事であるか、この苛立ちは健康な人達には分からないでしょう。
口から食べ物が入りませんと口をほとんど動かさないので笑み、笑顔、表情までもが乏しくなっていきます。
口から食べ物を取り込んで、歯で咬んで味わって食べる事、この喜び、この幸せは大変なものだと実感しています。
入院中の一番のお友達はテレビですが、このテレビの食べ物番組には本当に閉口しました。」
私達が当たり前に口から食べ物を食べる事、これはとんでもない幸せ、喜びの様です
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