たしかに、病気をなんとかしたいというワラをもつかむ思いを利用した、自然療法をかたる健康食品屋や、宗教に名を借りたインチキ商売が、症状の悪化を「好転反応だからがまんしなさい。」とだまして患者さんを手遅れにしてしまった、という事件は後をたちません。そこで自然療法イコールまともでない、というイメージを世の中の常識ある人々が持ってしまったのも無理はありません。
 その上、この本(「アレルギーは自力で治る」ハート出版)には科学的デターなどなにひとつない私個人の体のことだけしか書いてありません。また自然療法でアトピーの原因は体内の毒素が皮ふに出てくるもの、といわれていますが、医学的にその毒素がどんな物質なのか特定はおろか、検出すらされていないのも事実です。さらに肉や牛乳、卵を同じくらい、いえもっと多く食べている人で、花粉症などのアレルギーがあっても、アトピーやゼンソクにならない人もたくさんいるのはどうしてか。医学上、良くなるために悪くなる(薬の副作用はまた別問題)という症状はありえないので、好転反応、改善反応という言葉は医学用語ではありません。それはただその時違う病気になった、その時体調を崩しただけのことと違うのか。などなど、私にはなにひとつ科学的、医学的に説明できないことも多いです。ですから“あきこのおかあさん”のようなご意見はごもっともなこと。
 けれども、私自身もそうでしたが「人がそう言っていた」「テレビでそう言っていた」ことを簡単に信じて「薬は体に悪いから使いたくない」とか「自然療法なんてインチキ」と勝手に思い込んでいることを正しい知識だと、いつのまにかカン違いしている人はかなりいます。一人ひとりが社会常識と思っていることの中にも本当は間違っていることもあるのです。西洋医学のことも自然療法のことも両方の本当のことを知るため勉強しましょう。

 自然療法のことは何度も紹介している

「家庭でできる自然療法」 東城百合子著 又は 医学博士、森下敬一氏の著書どれでも。 アレルギーの項目だけでなく、始めから終わりまでよく読んでください。伝承的お年寄りの知恵袋やある地方に昔から伝わる民間療法とはまるで違う、東洋の医学であることがわかるはずです。(何度も紹介していますが著者とはお会いしたことがありません。残念ながら。ですから関係者ではありません。東城氏、森下氏お二人を心の師と仰いでおります。)

さてアトピーの治療について、専門医が書いて、皮膚科学会の考え方が一番良くわかる本は

 「間違いだらけのアトピー治療」 竹原和彦著 新潮新書 です。

この本、私が書いた本より文字がいっぱいでその上値段が安いのでお得です。と、宣伝していますけど著者とは面識はありません、あしからず。この本は患者に必要なことだけを書いてあり、一般常識として納得できる内容で、お医者さんの立場から病気をどう考えているかよくわかります。またお医者さんの中にも間違った人がいて、皮膚科学会の治療法とは違う薬の使い方を指導する人や、皮膚科であってもアトピー専門のお医者さんではない人がいることがわかります。ただしお医者さんの本ですから自然療法を全否定しています。
お医者さんが指摘する自然療法の矛盾点も納得した上で、西洋医学はアトピーの原因もわからないし、完治には至っていないという事実を知ってください。そして自然療法では病気原因も特定でき、だから完治と健康な体を約束していることがよくわかるはずです。
 今の医学は万能ではありません。あと10年先、20年先、50年先にはもっと研究が進み、今の医学など間違いだらけになっているかもしれません。今までにも、その時の最高と思われていた医学を過信した悲劇がおきています。数十年前までハンセン氏病は伝染病として恐れられ、隔離政策が過ちだったと認められたのはつい最近のこと。また、胎児性水俣病の確認以前は、胎盤は毒物を通さないと信じ込んでいた医学会の常識がありました。などなど。
 アトピーの薬についてもお医者さんは「内服薬とちがい塗り薬は体に吸収されるとしてもごく微量であり、皮膚の細胞は3040日で入れ代わり、新しくできた細胞は以前の薬の影響を受けることはなく、皮ふに薬が残ることなどありえない。」と言います。しかし私のように25年以上薬を塗り続けているとどうなのでしょう。“2030年ステロイド剤を同じ所に塗り続けてもだいじょうぶだった。”という実験を製薬会社も医師も行ってはいないはずです。そんなに長生きのねずみやうさぎはいませんから。

 そこで、私の経験から。自然療法を始めて1カ月半ほどたったある時、全身がものすごく痒くベタベタした、いやな汗がジワジワと出て、スギナを塗ってもなにをしてもどうしようもなかった時、そばでネコが体を舐めているのをボーっと眺めて、「ネコはけがも病気も舐めて治すんだ・・アトピーも舐めたらいいかも・・・」。追い詰められていたようです。(>。<)と、腕をなめたところ、とてもニガイのです。汗の塩分の味はせず、舌にネトっとくるイヤなニガさ、うっかり薬を塗っていた指を舐めてしまった時のあの化学的な薬品的なニガさなのです。これはなんでしょう。

 「家庭でできる自然療法」(東城百合子著)の砂うまりの章に、香水を長年つけていた人が砂うまりをしたところ、体から香水が出てきたという話が載っています。どういうことかというと、香水は化学合成物質で自然のものではないため異物となって体内に同化できず残されてしまったのです。そして砂にうまった所、香水は匂いがあるので体内の毒素やガスと一緒に出てきたことがわっかたのです。香水など皮ふにつけても汗もかくし、お風呂に入れば洗い流されてしまうし、皮ふに吸収されて残るものではないと思うのが普通ですが、違ったのです。
 香水が皮ふに吸収され残っていたのであれば、塗り薬ならなおのこと。しかも私は数十年間塗り続けていたのですから、自然療法を始めたことで体内の毒素が出やすくなり、ある時汗と一緒に染み出してきても不思議なことではありません。

 砂うまりをしたことがない人や、東城百合子氏の本を読んだことのない人、自然療法をインチキと思っている人は、この話自体おかしいと疑うでしょう。でも砂うまりを奨励しても、だれも儲からないということをわかってください。砂うまりだけでなく、自然療法のほとんどが誰でも簡単にできることばかりで、東城氏が特別な物を販売していて、それがないとできないというものではないのです。儲からないことを宣伝してもしょうがないし、わざわざそのためにウソの話を作る必要もありませんよね。では、それほど良いことなのになぜ人々に認知されていないのか。それはお金儲けではないからです。お金が動かない所には人もマスコミも寄り付かない、人がたくさん集まらないので認知されていない、それだけのことです。

 皮膚科学会では外用薬は体内に残らないと断言していますし、治療のゴールは完治ではないと言っています。どちらを信じるか、西洋医学と自然療法、両方をよく知ってからみなさんご自身で判断してください。

 最後に、子供の成績について。たしかに努力して、中三の11月から受験前日まで毎日、問題集を4ページ以上やっていました。体育祭が終わるまで全く勉強しなかったので二学期の中間試験で学年順位30位以下になってしまいましたが、期末試験で学年順位1位になりました。しかし、志望校を偏差値6870の高校から65へ下げたとたん、12月から2月までのまさに受験期間中に、マンガ単行本120冊以上読んでいた!というのも事実。塾も行かずがんばった努力は認めますけど・・・なんかねえ、親の知らない所での不断の努力という美しいイメージはないというか、息抜きのやりすぎというか。ま、うちの子はこんなふうに受験を乗り切りました。必死に勉強しても伸び悩んだ親の場合とは違うので、やっぱり食べ物で脳の働きは違うと、思うんですよ。

 東京都の“あきこのおかあさん”より
 アレルギーが治ったのは、たまたま偶然あなたが運よかっただけ。子供の成績が上がったのも、親が知らない影の部分での努力があったはず。それを認めないのはかわいそうです。花粉症も自然に治ってしまう人もいるようですし、危険な民間療法を奨励する本を書くなんて非常識ではありませんか。
 

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