はたくさんの生命が生まれる芽生えの季節。海の中あちこちに生まれたばかりの
赤ちゃんたちが可愛い姿をみせてくれます。春、海の中の物語のはじまりです。

春の土肥を代表する景色。
春の日射しを浴びた海草類は
3mを越えるまでに成長し、
まるで森林のよう。

この海の中の森林は生まれた
ばかりの生物たちの安らぎの
ゆりかご。ここですくすくと
育ち巣立ちの時を待ちます。

春の風物詩キンセンイシモチの口内保育。
卵を口の中入れて巣立ちの時までしっかり
守ります。その間約10日間。
お父さん・・・大変です。
これも春を代表する海草フクロノリ。
トラウツボ君にとってはふわふわの
ベッドといったところでしょうか。
オキゴンベの赤ちゃんは鮮やかなお家が
お気に入り。心配そうにこっちをみている
姿がなんとも愛らしいです。
潮の接近にともない海の中がにわかに活気づいてきます。海の生物たちが
生命の力を開放し躍動する季節。それが夏です。
海の蒼をバックに優雅に舞うトビエイ
なんどでもお目にかかりたい。
そんな夏の一場面(ワンシーン)。
初夏の風物詩アオリイカの産卵。60cmは越えようかという
大きなアオリイカたちが繰り広げる儀式は時にしめやかで
時に荒々しい。時の経つのをつい忘れて見入ってしまう。
厳しい自然界を生き抜き150cmを越す体躯を持つ
強者もいるカンパチだが若魚はとても好奇心旺盛。
自らダイバーによってくることも。
夏には欠かせない役者たち。
この年の8月中旬突如黒潮到来。海は一気に
どこまでも続く蒼の世界に。
の海を知らずして伊豆の海を語る無かれ。
黒潮の贈り物がぎっしり詰まったベストコンディションの海。絢爛の季節。
キラキラと輝きながら目の前を疾走するキビナゴの群れ。
視界を遮るほどの光りの奔流。秋らしい一場面。
黒潮が運んできた海のアイドル“ミナミハコフグ”
の赤ちゃん。この体にこの色。
神様はよく分かって
いらっしゃる。
なんで君がここにいるの!?そんな驚きの
出会いがあるのも秋の楽しみ。
通り崎の沈船で出会ったスミレナガハナダイ
の赤ちゃん。
秋頃からよくお目にかかるイバラダツの
赤ちゃん。まるで星空を背景にたたずむ
異星人のよう。
不思議な色彩と不思議な格好の“マトウダイ”
水深400mから冬の訪れを告げに来た

んだ水がどこまでも広がる冬の海。澄んだ水でも夏〜秋の水の色とは違い白く凛としている。
白の背景の静かな世界。冬だから寒いことは寒いです。ですがこの静かな世界も僕は好きです。
伊豆のそして土肥の冬らしさを冬の海の良さを
現す一場面。冬の海の持つ美しさや力強さ、
そして優しさなんかが感じられませんか。
海の中には冬でもこんなに綺麗で鮮やか
な景色が待っています。通り崎沈船の
“オオトゲトサカ”の群生。
冬ならではの千載一遇の出会い。それにしても
奇妙な生き物です。しかも名前が“アカグツ”
ってね〜(笑)お気の毒様・・・って思うのも
人間のエゴかなぁ。