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スギ・ヒノキのDIY  
 
 
クラフトとリハビリ
'04.9.28
 以前、しばらくリハビリテーション室に通うことがありました。室内の多くの機器と用具は、木工という目を通すと興味を引かれるものが多くあります。事実、木工家の中には、それらの用具・機器の開発と製作に専門に携わっている人達がいます。同時に、クラフト(工芸)製作が患者の機能回復訓練の一部として取り入れられています。
 もう一方では、木工・陶芸・織・染・ガラス工芸・金工・レザー工芸など、私の身近なクラフト制作者の中には自身の作品制作だけでなく、教室を開催して知識や技能を伝え、福祉施設などでの製作指導にあたる人達がいます。
 通院と仕事のはざまで考えたこと、クラフトとリハビリテーションの関係を発展させる可能性について、つまり、クラフト制作者の活動経験や知識、技能をリハビリテーション医療の場に積極的に活かしてゆく方途に触れてみます。
 また、医療行為という側面から見ると、様々なハードルがあることでしょう。恐らく、いつか、どこかで良い出会いがあることが条件、ということかも知れませんが、取り敢えず項目だけでも列挙してみます。

 ・現場各々の条件やニーズを考慮した木工・陶芸・織など、どのクラフト製作を導入するかの検討と選択
 ・同時に、維持管理までを含め、選択された各工芸上の製作品目の決定
 ・クラフト制作者で無い者が指導を行う事を前提とした、各製作品目毎の製作・指導マニュアルの作成
 ・製作品目とその数量に見合った道具の配置
 ・製作過程においての補助を目的に、習熟度や障害に配慮した治具開発
 ・工芸製作と医療という両側面に配慮した指導システムの構築
 ・周囲の理解獲得手法の考察と実施
 ・自助具、補助具の開発

 以上がクラフトの側から思い付く、機能の回復と付与だけに留まらない、より製作者の積極性を引き出し得る場を造り上げる時に必要と思われる項目です。しかし、ここでは個別項目の詳細は割愛しました。
 最後に、中長期的には患者や退院者自身による生きがいとしての工芸制作や自助具、補助具の開発、文化活動の場としての工房が、上記のリハビリテーションシステムの延長線上に設けられても良いのではと考えられます。
仮想;砥石博物館
'04.8.6
 生活を成り立たせている道具達。それら道具の生産から日常生活に用いられる手道具の維持まで、可視・不可視を問わず、砥石は必需品です。
 ところで、天然砥石の生産や採掘は量も場所も減り続けています。採掘技術や無形資源も同様です。多くの貴重なものが霧散しつつあります。切れなくなったら捨てられる刃物があるとも聞きます。使い方、維持の方法が伝えられる場所も必要です。動作としての研ぐ、削るも掘り下げられて良いのでは。
 地質学的な砥石の成り立ちにも興味深いものがあります。2億5千年前からのプレート移動で、現在のハワイ沖あたりにあったとされる堆積物が変成作用を受けながら現在の京都府下まで移動して砥石となったとのこと。その後の日本史を形作る道具や建造物が近隣でつくられた事との関連は着目されるべきではないでしょうか。
 人工的につくられる砥石達の来歴もそこにある、砥石博物館を仮想しました。

設置位置;
 産地は京都府下中西部に偏っていることから見て、設置場所は同線上に。
加えて現在の無形資源に支えられなければならないこともあり、採掘者・砥石販売者・組合等との連携も考慮すべきだと考えます。

展示内容;
1. 様々な天然砥石の現物。
2. 現在掘られていない砥石山に博物館を建て、実際の鉱脈を見せる。
  (又は、地層模型)各地層から採掘された砥石と関連づけた展示。
3.地層形成過程を再現する地質学的模型。
4.古い時代や、他地域・海外の生活と刃物・砥石の実例。
5.一部の人工砥石。普段目に触れない高度な器機の生産用、日常の道具生産用砥石の展示。現在どの様に生活の用に役立っているかと、天然砥石から学んで開発されたものである側面を失わずに展示。
6.使用状況を具体的に示す展示。例えば、研ぎの現場や採掘場所の人形等での再現。写真パネル。
7.実際の研ぎを見られる展示、そして、体験教室。

その他、略

DOMAの閉鎖
'03.1.1
リンクページに掲載の、DOMA=故、秋岡芳夫さんのサイトが閉鎖されました。
同サイトの運営者、秋岡陽さんのHPにあった日記を引用させていただきます。

8月26日(月曜)
このHPももうすぐ開設4周年。///これほど「毎日」欠かさず日誌をつけたことなんてない。いつも間歇日記だったもんな。あっという間の4年間だった。でももしこの日誌をつけていなかったら、もっと「あっという間」だったろう。///
4年もたつと随所にほころびが目立つ。4年前はまだ父が亡くなったばかりで、そのことに関する問い合わせも多かった。それに答えるアネックス・ページを作ったのは、そんな理由から。でも4年もたつと役目を終えたの感あり。今は父のことに言及した立派なサイトがいくつもある。ひとまず父に関するページは閉室しよう。おあとよろしくお願いします>関係者の皆様。///

また、かってどこかに記した、故秋岡芳夫さんについての拙文も引用します。

最初、その ひと とは本の中で出逢った。工業デザイナーであり、
大工道具に造詣が深く、各地の 木での村起こし を指導し‥‥等々。
はじめて直接にお会いしたとき、その ひと はある公募展の審査委
員長だった。休憩時間、鞄から遠慮がちにそっと取り出す「宝物」
の竹とんぼ。それは自慢げで、しかし、はにかみも伴って出てきた。
顔に少年の笑みが光った。
その ひと の業績を振り返るとき、何を成したかは勿論の事、人に
とって基本とはなにかをいつも考えながら歩んで来られた道が見える。
そこでこそ生き続ける ひと 。
時代は流れてゆく。その中で変わらないものを知っておられた、私
たちと同じ高さに居る先生。ご自宅での「どま工房」、そこに集う
人々の醸す雰囲気はその ひと の人柄を映していると思えた。
そのひと 、秋岡芳夫。享年76才。
善い人・現代日本クラフトの大黒柱を1997年4月18日に失った。

■秋岡芳夫(1920.4.29-1997.4.18)略歴 
工業デザイナー。元・共立女子大学教授、元・東北工業大学教授。
「毎日産業デザイン賞」「国井喜太郎賞(工芸財団)」
「伝統的工芸品功労者(通産大臣)」「デザイン功労賞(通産省)」受賞。

会議によるデザインを試み、のち、
消費者と生産者の対話のあるモノづくりを提唱してモノ・モノ運動をはじめる。
地場産業問題にも取り組み、岩手県大野村、北海道置戸町、
島根県匹見町、熊本県などのコミュニティー産業開発を行う。

主要著書に『住』『木』『創』(以上玉川大学出版部)、
『デザインとはなにか』『竹とんぼからの発想』(以上講談社)、
『暮しのためのデザイン』『暮しのリ・デザイン』
『いいものほしいもの』『食器の買い方選び方』(以上新潮社)、
『木のある生活』(TBSブリタニカ)ほか。

なお、略歴はホームページDOMAよりご了解の上、転載させていただきました。
加えてホームページDOMAではリンクをはっていただいていました。
長い間ありがとうございました。この場を借りてお礼申しあげます。
二つの建物
(以前の掲示板'00年記事より)
   

何を最初に、で迷ったのですが景色(ドアページ)・紹介・履歴をつなぐ二つの建物の話からこのノートページを始めようと思います。
以前の掲示板よりの引用です。

投稿日 2月6日(日)21時37分 投稿者 FQ DESIGN

「地づきをして土台を固め、礎石を置いて柱を立てる。木を選び、ほぞを柱に通して栓で留める。良質の瓦を葺くか、二十年毎に茅を葺き替える。・・・」暮らしが景色をつくる「三百年もつ木の家を訪ねて」より 原田紀子著
以上は原田氏が法隆寺最後の宮大工、西岡常一氏に教えていただいた三百年もつ家の条件だとのこと。ここでは割愛しますが、この後にも同条件の列挙は続きます。

ところで、これ以降は自宅にある2つの建物のお話です。
そのひとつは、茅葺き屋根にトタンを被せた築後百年位?の民家。
建て方は前述の、地づきをして土台を固め礎石を置いて柱を立てたもの。内部はいわゆる田の字型構造と土間、それに北に張り出した茶の間と台所。構造はそのままに、約10年以前の移住時に間取り等に少し手を加えました。
もう一つは、一応現在の建築基準に沿って布基礎にアンカーボルトを埋め土台角材を緊結した建物。用途は作業場で、約5年前からの自身での内部造作は現在も進行中です。

さて5年前と木造、と言うと阪神淡路大震災は忘れられません。作業掛かりとその発生、時をほぼ同じくしている故、浮かんだ事の幾つか。
その内の一つ。地と構造体としての建物が一体だから地続きで揺れる。
それなら固めるしかない。例えば壁内なら間柱と胴縁を可能な限り固める。床材が柱を巻くときは遊びを持たせない。柱と桁や土台材とは栓やボルトでホゾの結合を補強する・・・
つまり、気持ちは際限無くどこまでも構造を固めようとします。
反対に前者の建物は縁が切れている。揺れても完全には同じ波を被らない。構造として考えるとき「ここまで」という一定の基準を設定出来そうです。だからなのかどうかは知りませんが、ボルトなどで固められていない仕口や組み手部分の収まりは美しく、耐震という考え方に反した大きな開口部=縁側は風景と風を招き入れてくれます。
暮らしがつくった景観と技を失わせ、同時に今の生活が要求したり試そうとする形を先取りして奪ってゆく何か。
そんなことを思いながら、しながらの内部造作のことでもありました。

ところで、ここからは蛇足かも知れませんが、鉄骨や鉄筋コンクリート構造の建物は免震構造が考えられています。そして、以前NHKの「面白学問人生」だったかで寺社建築の礎石を置いて柱を立てる方法の強さを語る研究者が登場していました。木造住宅の免震構造もこの辺りにヒントが在りそうに思うのですが。

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