何を最初に、で迷ったのですが景色(ドアページ)・紹介・履歴をつなぐ二つの建物の話からこのノートページを始めようと思います。
以前の掲示板よりの引用です。
投稿日 2月6日(日)21時37分 投稿者 FQ DESIGN
「地づきをして土台を固め、礎石を置いて柱を立てる。木を選び、ほぞを柱に通して栓で留める。良質の瓦を葺くか、二十年毎に茅を葺き替える。・・・」暮らしが景色をつくる「三百年もつ木の家を訪ねて」より 原田紀子著
以上は原田氏が法隆寺最後の宮大工、西岡常一氏に教えていただいた三百年もつ家の条件だとのこと。ここでは割愛しますが、この後にも同条件の列挙は続きます。
ところで、これ以降は自宅にある2つの建物のお話です。
そのひとつは、茅葺き屋根にトタンを被せた築後百年位?の民家。
建て方は前述の、地づきをして土台を固め礎石を置いて柱を立てたもの。内部はいわゆる田の字型構造と土間、それに北に張り出した茶の間と台所。構造はそのままに、約10年以前の移住時に間取り等に少し手を加えました。
もう一つは、一応現在の建築基準に沿って布基礎にアンカーボルトを埋め土台角材を緊結した建物。用途は作業場で、約5年前からの自身での内部造作は現在も進行中です。
さて5年前と木造、と言うと阪神淡路大震災は忘れられません。作業掛かりとその発生、時をほぼ同じくしている故、浮かんだ事の幾つか。
その内の一つ。地と構造体としての建物が一体だから地続きで揺れる。
それなら固めるしかない。例えば壁内なら間柱と胴縁を可能な限り固める。床材が柱を巻くときは遊びを持たせない。柱と桁や土台材とは栓やボルトでホゾの結合を補強する・・・
つまり、気持ちは際限無くどこまでも構造を固めようとします。
反対に前者の建物は縁が切れている。揺れても完全には同じ波を被らない。構造として考えるとき「ここまで」という一定の基準を設定出来そうです。だからなのかどうかは知りませんが、ボルトなどで固められていない仕口や組み手部分の収まりは美しく、耐震という考え方に反した大きな開口部=縁側は風景と風を招き入れてくれます。
暮らしがつくった景観と技を失わせ、同時に今の生活が要求したり試そうとする形を先取りして奪ってゆく何か。
そんなことを思いながら、しながらの内部造作のことでもありました。
ところで、ここからは蛇足かも知れませんが、鉄骨や鉄筋コンクリート構造の建物は免震構造が考えられています。そして、以前NHKの「面白学問人生」だったかで寺社建築の礎石を置いて柱を立てる方法の強さを語る研究者が登場していました。木造住宅の免震構造もこの辺りにヒントが在りそうに思うのですが。