加古川上流の土手はいつもの通り道。そして、この蒸し暑い日に思い浮かべた冬の景色。 季節によってはカモ類が見られ、コサギやアオサギ達の大きな鳥たちも川面に佇んでいる。冷え込んだ朝は霧が樹木に水分を運び、枝一本一本までが氷結した朝日にきらめく白い立木を見たことがある。氷を浮かべるまでも行かない川面と冷え込んだ空気の温度差。立ち登る水蒸気の揺らぎの中、鳥たちは動かず弓の姿、水中との緊張を張っている。
撮影;田中 義隆
地図をみると先ずは道を捜してしまうが、同じ紙面には別の景色、例えば川の流れも見せている。この加古川は太平洋に注ぎ、遠くないところには日本海に向かう由良川の上流がある。分水嶺というと急峻なイメージを改めるのは難しいが、確かにこの地の分水嶺は標高約100メートルのところにあり、穏やかな感じがする。日本海と太平洋、動・植物や昆虫等も含め、恐らくは交通の要衝でもあったのだろうか。
民家群は山の端と道筋、谷奥に固まることが多い。特に平地部の道筋は比較的近、現代に出来た集落に思える。山の端の集落は、水と山の幸で規定されたのだろうか。谷奥は山、なのだろうか。より多くの歴史的理由があると思えるのだが、谷間中心部、国道近隣との対比は静かな風景をより静寂なものにしている。 (写真は、加古川支流の篠山川、篠山市丸山)