二次創作小説

都合により文章内容を変更・改正する場合がございます。
8      学校 ― write ―
僕は先生が黒板に書いた文字や表を頑張ってノートに写している。
こうしておけば、あとでしっかりと復習ができるからだ。まぁ、みんなやってる当然のことだけれど。
今日の授業内容もとても為になることばかりだ。こういうことを勉強していると、頭をよく使っているのがよく分かる。だから楽しい。
 
あっ、あれは誰だ?旅人さんか。でも、あの人とても若いなぁ。学校にも通わないで。
やっぱり人は勉強をしないと育たないと思う。それほど勉強は大切なのだ。そんな大切な勉強をやらないで旅としているなんてバカにも程がある。モトラドはちゃんと運転できているようだからきっと不良だったんだな。うん、そうに違いない。
 
「えぇ〜、物質が状態変化する温度を融点といいます。これは個体が液体に、液体が固体に変化するときのことをいいます。つまり固体が溶ける温度でもあり、液体が固まる温度でもあるのです。水は―――――――――」
 
あぁ、こんな事を考えている場合じゃない。急いで黒板の字を書き写さなくちゃ。
それにしてもあの若さで旅とは本当にあほらしい。今すぐに勉強をするべきだ。
 
あっ、あの旅人がいなくなった。まぁ、こっちには何も関係ないけど。
 
僕は一番前でも後ろでも、一番廊下側でも窓側でも、そして真ん中でもない席で少しだけそんなことを考えた。
 
「えぇ〜、セタノール、正確にはセチルアルコールの融点は――――――――――」
更新日時:
2005/10/23
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Last updated: 2006/9/13

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