二次創作小説

都合により文章内容を変更・改正する場合がございます。
7      学校 ― I want to be like her. ―
あぁ、いい加減勉強なんてやめたいよ。
こんなことばかり勉強しても将来の役に立つとはとても思えない。
あぁ、なんか眠たい。
 
そう思っているとき、窓の向こうに旅人さんが見えた。
かっこいいなぁ、モトラドに乗って旅か。憧れちゃうな。世界を見て、世界を感じて。
こっちはいつも勉強。疲れちゃうよ。
 
そんなことを考えているとき、僕の耳に先生の声が入ってくる。
 
「えぇ〜、物質が状態変化する温度のことを融点といいます。これは個体が液体に、液体が固体に変化するときのことをいいます。つまり固体が溶ける温度でもあり、液体が固まる温度でもあるのです。水は零度で凍り、零度で固まります。このとき、水の融点は零度と言えるということです」
 
僕も旅人さんみたいに旅がしたい。自由を求めた。世界を知りたい。たとえそれが危険なことでも、正しくないことでも。
 
あっ、旅人さんが行ってしまう。
いいなぁ、これからまたいろいろなところへ行くんだろうな。
僕はこれからも授業を受けて、黒板の字をノートに写したりする日々が続くんだろうなぁ。あぁ、イヤだイヤだ。
 
バイバイ、旅人さん。
 
僕は一番窓際の、一番後ろの席から旅人さんを見送った。
 
「えぇ〜、セタノール、正確にはセチルアルコールの融点は――――――――――」
更新日時:
2005/02/13
前のページ 目次 次のページ

[HOME]


Last updated: 2006/9/13

誤字・脱字などがありましたら、下記までお知らせください。
また、掲載している作品はメディアワークス様・時雨沢恵一様等とは一切関係ありません。