ある国でキノとエルメスは観光しているときに学校を通りかかった。
キノは興味があると言って、各クラスの窓がある南側に向かった。
「懐かしい」
「えっ、何か言った?キノ」
「懐かしい。あの時の自分のことを思い出すよ」
「ふ〜ん。よくわかんないけど」
「あの時の自分は旅なんてことは考えたことがなかったからね」
キノはクラスの中を少し遠くから見つめながらそう言った。
「考えてくれてどうも。考えてくれないと走れないもんね」
「あはは、それは確かにそうだね。モトラドが走れなかったら意味がない」
「そうそう。分かってくれればいいんだけどさ」
「分かってるつもりだよ、エルメス。そして、これからも走るつもり」
「そうこなくっちゃ!」
そして、キノは最後にもう一度クラスの中の勉強をしている人たちを見た。
キノのことを見ている人もいた。
「さぁ、そろそろ行こうかエルメス」
「そうだね、そして走ろう」
そうしてキノ達は振り返らずに西の城門へと向かっていった。最後にこう言ってから。
「懐かしい」
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