2008年4月6日
My Funny バレンタインを歌った時のことです。
実はこの曲には、誰にも話したことのない、
自分に起こった現実のことの感覚と ”その時”の映像が 私の中にはあります。
曲がはじまり... 何か表現しようとか、伝えよう という 邪まな意図をせず、
ただ、”その時”の感覚を 体の真ん中に据えて、まっすぐ歌い始めました。
1cho歌い終え、元岡さんのソロになったとき、血管の中を、「ぞくり」としたものが走りました。
........なんで知ってる...............これは知ってる以外ありえない。
今まで演奏で経験したことのある 「そう、ああ、まさにの感じなんです」 というものではなく、
今、元岡さんが奏でているのは、あまりにリアルに ”あのこと”そのものでした。
まるで、”あのこと”のドキュメンタリーを見ながら、その場で即興で音をつけているように。
呼吸(グルーヴ)も あの時の私の”呼吸”そのものです。
そして、ほかのミュージシャンの方も、
元岡さんのピアノの音しか耳にはいってこないくらい
元岡さんのソロが奏でる世界に同期して、その音を包んで。
私はサビから歌に戻る寸前には、手と足の先が冷たくなり、
たくさんの感情で、いっぱいいっぱいになってしまいました。
(そこからは、聴いてくださってた方たちにとっても、
「やっちまったよ...感100%」の痛い歌になってしまいました。)
しかし...とても大切な経験でした。
すばらしいミュージシャン同士であれば、
きっと そういう感覚のリアルな核心の交感や、グルーヴや音の360°のやりとりを
研ぎ澄まされた感性と、たしかな技術で 受けあって、増幅しあってゆくのでしょう。
それが今まで私が聴いてきた、たくさんのすばらしいライブの秘密のひとつだったのかもしれない。
今回は、元岡さんたちが感じて 音にしてくださったところまでで 終わりで...、
私自身は、そこからなにひとつできなかった。
ほんとに 一歩通行のみの 仮体験でしたが、
それを リスナーとしての「耳や、頭の経験値」でなく、
ほんの一瞬でしたが、自分の心身で 垣間見させていただきました。
たくさんのものを長年聴いてきて 自分が少しわかったような気になっていた感覚とは
桁も 現実感も まったく違いました。恥ずかしいです。
すばらしいミュージシャンの方の 本物の凄さに
脊髄で ダイレクトにやられました。
この経験は、きっとこれから、私が歌っていく中で
いろいろなものを与えてくれると確信できます。
この場を与えてくださった、すべての方々に心から感謝します。
........................長....。m(__)m