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4つの格で表現できるのは、日本語で言うと基本的に「が・の・に・を」という4つの意味でした。それでは、それ以外、例えば「〜へ」、「〜から」、「〜の中に」、「〜の上に」・・・・といったような場合はどうなるのでしょうか。日本語の場合は簡単です。名詞の後ろにそれらの言葉(「〜へ」など)を新たにくっつけてやるだけで大丈夫です。
それに対してドイツ語の場合はそれらを表す場合には、名詞の「前」に特定の言葉をつけてそれらの意味を表すことになります。例えば「机の上に」という日本語は、「机」プラス「の上に」という表現になりますが、ドイツ語の場合は逆で、「auf」(の上に)プラス
「dem Tisch」(机)と表現し、「auf dem Tisch」と書きます。
そのように、前に置かれるので、「前」に「置かれ」る「品詞」ということで、「前置詞」と呼ばれるわけです。(逆に、日本語の場合は後ろに置かれるので「後置詞」と呼ぶこともできるかもしれません。)このように、ドイツ語では「が・の・に・を」以外のものを表現する場合は、前置詞をつけて表現するということです。
ここで、ドイツ語特有の決まり事があります。それは、前置詞の格支配と呼ばれるものです。これは、文字通り前置詞がその後ろの名詞の格を支配するということです。上で書きましたようにドイツ語の名詞は1格2格3格4格という形を持っています。そして、すべての前置詞は後ろに来る名詞の格を決定するのです。ただ、1格という形は主語ですので、主語の前には決して前置詞がくることはありません。要するに、前置詞は必ず2格か3格か4格の形を後ろに取るわけです。
例えば、wegenという前置詞は、必ず後ろの名詞は2格になります。これは何があっても2格を取ります。例えば、wegenという前置詞は「〜のせいで、〜のために」といった意味で、「その天気のせいで、遠足は取りやめになった」などという風に使います。このとき、「その天気のせいで」というところでwegenを使うわけです。「天気」はWetterといいまして、中性名詞ですから1格から4格まではdas Wetter, des Wetters, dem Wetter, das Wetterと変化します。別に、名詞を1格から4格にしただけでは「が・の・に・を」の意味になるだけです。そこにwegenを前に置いて、「その天気のせいで」という意味を作ります。そのときに、wegenという前置詞は、後ろに必ず2格だけを取りますので、「その天気のせいで」といいたいときは「wegen des Wetters」となります。(Wetterは中性名詞ですので、2格の語尾にはsがつくことに注意してください。→格変化)
このように、ドイツ語の場合はすべての前置詞はその後ろに来る名詞の格を必ず支配することになり、それぞれが何格を支配するのかは、その前置詞によって決まっていますので、それらは一つ一つ覚える必要があります。ただ、一般的にいえば、ほとんどの前置詞は3格か4格を支配します。つまり、wegenのような2格支配の前置詞は3つか4つで十分で、後はすべて3格か4格となります。辞書で前置詞を引く場合は、格の支配は必ず出ていますので、注意してみてみるようにしてください。
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