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格とは何でしょうか。これは、ドイツ語を学ぶときにとにかく初心者を混乱させます。この格という概念をよくわかっているかどうかが、初心者にとってはドイツ語が、わかるわからないの最初の分かれ道かもしれません。
格というとたいていの人は次のような表を思い浮かべることと思います。
これは、定冠詞の変化表です。
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男性 (夫) |
女性 (妻) |
中性 (子供) |
複数(子供達) |
| 1格 |
der Mann |
die Frau |
das Kind |
die Kinder |
| 2格 |
des Mannes |
der Frau |
des Kindes |
der Kinder |
| 3格 |
dem Mann |
der Frau |
dem Kind |
den Kindern |
| 4格 |
den Mann |
die Frau |
das Kind |
die Kinder |
1格から4格まで男性はder des dem den、女性はdie der der die、と機械的におほえている人も多いのではないでしょうか。また、1格から4格までそれぞれ日本語の「が・の・に・を」に対応しているというのもドイツ語の初心者でも知っていることと思います。
これをわかりやすくしてみるために、日本語と比較してみましょう。日本語で例えば、「その女性は・その女性の・その女性に・その女性を」という表現をしてみた場合、「その女性」という部分は全く変化しないで、「が・の・に・を」という助詞をくっつけて「その女性」という単語がどのような意味なのかを表しています。(意味的にいえば、「主語・所有・間接目的・直接目的」といった意味になります。)
日本語の場合は単にある名詞に「が・の・に・を」という言葉をくっつけてそうした意味を表すのですが、ドイツ語の場合は考え方が違って、この「が・の・に・を」という意味に限っては名詞そのものが変化してしまうのです。ただ、変化するといっても大きく形が変わるわけではなくて、見た目はほとんど変化せずに、意味だけ変化するのです。無理矢理日本語風にいえば、「その女性・その女性・その女性・その女性」と書いて、それぞれ「その女性が・その女性の・その女性に・その女性を」という意味になるのです。ドイツ語で「女性」はFrauなので、Frauという単語がその4つの意味を持つことができるわけです。ただし、それだけでは外見からは分からないので、いわゆる冠詞が登場します。
つまり名詞そのものは「あまり」変化せず、冠詞が変化することによって、その名詞がどんな意味なのかを表すのです。それが、「が・の・に・を」の4つに対応して、1格・2格・3格・4格と呼び、例えば男性名詞の定冠詞の場合は、それがder, des, dem,
denと変化して、その名詞の前に置かれるわけです。(不定冠詞の場合ならein, eines, einem, einenです。)上のFrauは女性名詞ですので、ドイツ語で書けばdie
Frau, der Frau, der Frau, die Frauという形になります。それぞれ、「その女性が・その女性の・その女性に・その女性を」の意味になります。この場合、1格と4格、2格と3格がそれぞれ同じ形になりますが、それは文の中ではある程度容易に類推できるからです。逆に全部違っていたら、区別はしやすいですが覚えるのがとても大変です。また、それ故にいわゆる固有名詞など冠詞のつかないものは、形の上からは判断できないということにもなります。この場合は純粋に意味から判断するしか方法はありません。
また、名詞の部分が変化する場合もあります。もうおわかりの人も多いと思いますが、男性名詞と中性名詞の2格には語尾に(e)sがつきます。また、複数形の名詞の場合には3格の名詞の語尾にnがつきます。そのほかの場合はほとんど変化することはありません。
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