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では、もう一歩進めて、副文を含めた完全な文を考えてみましょう。
次のような文を考えてみます。
「彼は病気であるにもかかわらず、映画へ行く」
この文は、全体としてきちんと完結している文ですが、二つの部分に分けることができるのはすぐに分かりますね。一つは「彼は病気であるにもかかわらず」という部分と、もう一つは「(彼は)映画へ行く」という部分です。では、どちらが本来の意味の文かというと、この場合は「(彼は)映画へ行く」というところです。前半の部分は、それをより詳しく説明しているもので、そちらの方が副文になります。
全体をドイツ語で書いてみますと、まず前提として、「彼は病気である」という文(こちらがあとで副文になります)と、「彼は映画へ行く」という二つの文がきちんと書けなければなりません。
それぞれ、
Er ist krank. (彼は病気である)
と、
Er geht ins Kino. (彼は映画へ行く)
という表現になり、それぞれの文は動詞が2番目に来ていて、主語にあわせて動詞もきちんと変化しています。
この場合は最初の文を副文にするわけです。そうすると、「〜にもかかわらず」という単語を新たに付け加える必要があり、それは、ドイツ語でobwohlという従属の接続詞です。
副文の場合は従属の接続詞を頭に置いて動詞を最後へ持って行きます。すると、
Obwohl er krank ist
という表現ができあがります。これだけです。全く難しいことはありません。最初に従属の接続詞をおいて、2番目の動詞を最後へ持っていくだけです。
また、ドイツ語のルールでは副文は必ずコンマで区切られます。これも見た目からいって非常に役に立ちます。例えばコンマがあって、次に従属の接続詞があって、文らしきものがあれば「副文かな」と疑ってまず間違いありません。そして動詞が最後にあればまず確実に副文です。
次に、「彼は映画へ行く」という表現をくっつけてやるのですが、このときに注意が必要になります。単純にやると、
Obwohl er krank ist, er geht ins Kino
という表現になりそうですが、これは間違いになります。どうしてでしょうか。何がどう間違っているのか予想がつくでしょうか。ここで必要な知識は「これは全体としては一つの文である」ということです。当たり前じゃないかと思うかもしれませんが、もしそれに気づくのであればどこが間違いか分からなければなりません。
種明かしをしますと、間違いは動詞の位置です。副文の中のistの位置は正しいのですが、間違っているのはgehtのほうになります。なぜかといいますと、もし、この文が「全体で一つの文」であるならば動詞は2番目にくる必要があるからです。これは繰り返し何度も何度も書いてきましたが、動詞は2番目というのはドイツ語では本当に重要ですし、ここをよく分かっていると読む力がはっきりとよくなります。
正しい文は次のようになります。
Obwohl er krank ist, geht er ins Kino.
つまり、副文は全体の文の中での一つの要素ですから、仮に副文が冒頭にきてしまった場合は、副文がコンマで終わった後にすぐに本来の文(ここでは「彼は映画へ行く」)の動詞が2番目の要素として来なければならないのです。この本来の文のことをドイツ語では主文といいます。このルールは非常に厳密ですので、ある長くて副文などが入り交じった複雑な文などを読んだときに、どれが2番目の動詞なのかを見破ることが非常に大切です。実際は上で見たように、「コンマの直後」にある動詞は本来の動詞である可能性は非常に高いです。
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