dass文について(2/3)

一方で、ここで取り上げるdassという従属の接続詞は、それ自身はほとんど意味を持っておらず、それゆえ文の中で様々な意味を取ることも出来ます。基本は簡単なのですが、非常に応用範囲が広いと言い換えることも出来るかもしれません。

基本的に、dassで導かれる副文は「〜ということ」と言う意味です。そのように書くと簡単に聞こえますが、実はそれだけで二つの意味を含んでいます。例えば、日本語で次のような文を考えてみることが出来ます。

私は、彼が映画へ行くことを、知っている。

彼が映画へ行くことは、重要なことである。

上の二つの文はどちらも「〜こと」という表現を含んでいますが、その文の中での位置づけはだいぶ違います。一つめは、「〜ということを」というように、ドイツ語で言うところの4格の意味になっています。もう少し詳しくいえば、「知っている」という動詞の目的語になっています。

一方で、二つめは「〜ということは」とであり、これは全体の中で主語の役割を果たしています。ドイツ語で言うところの名詞の1格と同じ役割です。

これら二つの表現を作ることが出来るのが、dassという従属の接続詞です。つまり、dassに導かれる副文は、全体の文の中であるときは主語になったり、ある時は目的語になったりすることが出来るのです。あんまり難しくないじゃないかと思うかもしれませんが、dassを使うことによって、とても長い主語や目的語を作ることが可能です。その場合にこんがらがってしまう場合がとても多いのです。

例えば、「昨日酒場で偶然知り合ったその男がレストランで食事をしたあとに古い友人と一緒に町はずれにある映画館へ行ったということは、とても重要な情報である。」などという表現があったとすると、主語にあたる部分は「〜ということ」までの長い長い部分です。この長い部分は基本的にはdass文で表現されるわけです。それは目的語でも同じことが言えます。

この主語になったり目的語になったりするdassの用法のことを名詞的用法といいます。これはdassの副文が場合に応じて主語や目的語といった名詞の役割を果たしているからです。

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