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非分離動詞
次に非分離動詞について説明したいと思います。ドイツ語において分離動詞などという訳の分からない動詞のことを学んだ直後に「非分離動詞」などと聞くと何がどう非分離なのか、普通の動詞は全部非分離だろうと思う人もあるかもしれません。確かにその通りで、非分離動詞と呼ばれるものは、どの部分も分離することなど決してありません。でも、わざわざ「非分離動詞」と呼ぶからには何かしら普通の動詞と異なる部分があるはずです。ここではそれについて若干書いてみたいと思います。
例えば、上で使いましたsehenという動詞は、変化は不規則ですが、ごく普通の動詞です。aussehenという動詞は、本体部分のsehenが動詞として2番目に置かれ、ausという前綴りが文の最後に分離する動詞でした。非分離動詞の例を挙げますと、versehenというのがあります。この動詞はverという前綴りとsehenという本体部分から成り立っています。しかし、このverという前綴りは、どんなことがあっても分離しないのです。ausのように後ろに分離したりすることは絶対にありません。このような前綴りのことを「非分離の前綴り」と呼ぶこともできます。
どういう前綴りが分離して、どれが分離しないのかといいますと、これは覚えるより方法はありません。
例えば、分離する前綴りには、an, ab, auf, aus, ein, mit, nach, statt, vor, zuなどがあります。(実際はもっとあります。)
分離しない前綴りは、be, ent, er, ver, zerなどがあります。
これらに関しては、多くのドイツ語に触れることによって、覚えていくしか仕方ありません。ただ、これらの前綴りだけを機械的に暗記する必要など絶対にありません。たとえドイツ人でもそんなことを聞かれて即答できる人などまずいません。ドイツ語がちょっとできるようになってくると、実践の中でそれらの区別は自然とついてきます。ですから、ドイツ語を学ぶときには多くの例文に触れていくことがとても大切です。
では、分離もしない、「非分離動詞」は、普通の動詞といったい何が違うのかといいますと、普通に2番目において使うときには、何も分離しませんから何ら普通の動詞と違いはありません。せいぜい、普通の動詞と同様、規則変化の動詞なのか不規則動詞なのかに気をつけるぐらいです。
これが、過去分詞になると大きく違ってきます。
例えば、sehenの過去分詞はgesehenでした。
aussehenの過去分詞は、すでに触れたようにausgesehenとなります。
では、versehenという非分離動詞の場合はどうかといいますと、
これはなんと、過去分詞の形は原型と同じversehenなのです。
この理屈はなぜかといいますと、非分離動詞の場合は、非分離の前綴りと本体の動詞の間にgeが挿入されることは決してないためです。つまり、sehenという不規則動詞の過去分詞はgesehenですから、そこからgeを取ってしまえばsehenという動詞の原形と同じ形になっています。そこに非分離の前綴りであるverがつきますから、過去分詞はversehenという形になります。
規則動詞のwohnenに、非分離の前綴りをつけたbewohnenという動詞はどのような過去分詞になるでしょうか。これは、bewohntという形ですね。これは、wohnenの過去分詞がgewohntという形で、非分離の前綴りが前につく場合はgeがつきませんから、bewohntとなるわけです。
以上のように、非分離動詞は普通の動詞として使う場合は、普通の動詞と全く同じように使ってかまいませんが、過去分詞を作るときに注意が必要であると覚えてください。
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