This week's feature

06/02/27　　ホテル・ルワンダ

　みなさんはルワンダという国をご存知ですか？　この国で1994年民族間の紛争が激化し、たった100日で100万人もの罪なき人々が無差別に惨殺されました。これが「ルワンダ大虐殺」です。

　「ホテル・ルワンダ」は、アメリカ・ヨーロッパ、そして国連までもが"第三世界の出来事"として黙殺する中、殺される運命にあった1200人の命を救ったひとりの男性の実在の物語を映画化したものです。

　「アフリカのシンドラー」と呼ばれたこの男性は、ルワンダのホテルで働いていたポール・ルセサバギナさん。彼自身も民族間の紛争に巻き込まれていました。彼はフツ族、そして彼の妻はツチ族だったからです。
その彼が日本での映画公開にあたり来日した時、アフリカの現状などを語ってくれました。アフリカでは今でもルワンダと同じ民族紛争が各地で行われているそうです。そしてそれを解決するためには民族やグループでの対話が必要、まずは独裁者（指導者）を変えることだと言っています。「そのために日本にいる私たちは何ができるのか」と尋ねると、「日本政府が多くの援助をしてくれているが、そのお金は独裁者を守るための武器などに使われてしまう。だからNGOなどを通じて人々を援助するほうがいい。アフリカは国民に対する支援、独裁者と戦うための支援を必要としている。過去、多くの人々が反アパルトヘイトのデモに立ち、アパルトヘイトはなくなった。私はこの「ホテル･ルワンダ」を通じて、そうしたように変えていってほしいと思っています。私のメッセージは、私たちの"メッセージ"を訴えるメッセンジャーになっていただきたいということ。みんなが望めば、一人一人が時代を変えていける。」と言っていました。

　大都市でしか上映されなかったこの映画ですが、ようやく宇都宮でも3月11日から「テアトル宇都宮」で2週間ほどですが上映されることになりました。最近国連や常任理事国がやっとアフリカの問題に対して目を向け始めてくれました。まずは同じ地球上の人間としてこの映画を見て、過去に起こった現実を知りたいと思います。

「ホテル・ルワンダ公式サイト（英語版）」
「ホテル･ルワンダ公式サイト（日本語版）」
「テアトル宇都宮」