009 月の沙漠

制作年月  2004.7

限定数  ed66

絵サイズ 300×400mm

額外サイズ

価格 31,500円(税込/額付)

007椰子の実にも書きましたが、三木成夫著「胎児の世界」を読んで「月の沙漠」「椰子の実」を
版画の題材に選びました。三木氏はこの二つをこのように対比させています。
月の砂漠をはるばると旅の駱駝が行きました・・・・・
名も知らぬ遠き島より流れ寄る椰子の実ひとつ・・・・・
<あらためてこの両者を並べて見ると、絶妙の対比が見られるではないか。前者が、いわば“陰”
のメロディであれば、後者は“陽”のそれである。><歌詞のほうは、もっとはっきりしているだろう。
一方は、晧々たる月の光を浴びた砂漠であり、他方は、夕陽の眩い大海原である。“陸”と“海”との
明らかな対比が、月光の“冷”と日光の“暖”とを合わせて、そこにはある。そしてそこに登場する
生き物は、駱駝と一個の椰子の実とであり、一方は、過ぎ行き、他方は、流れ寄って、ここには
“動物”と“植物”との対照的な姿かたちが見られる。こうしてこの二つの生き物は、一方は背のこぶ
に、他方は殻のなかに、それぞれ“水”を蓄えて、ともに数千里の道のりを旅するのである。>
これらはやがて人間の「動物器官」「植物器官」や「脳」「心臓」などに、話は展開して行きます。

473×595mm