「センさんのお母さまって、やっぱり大きい方なの?」
唐突な質問だった。仕事帰りに食事をしながら明日のデートの話をしていた最中で、まさ
か話題が後楽園ゆうえんちからセンさんのお母さまに飛ぶとは肝心のセンさんこと仙一も
予想だにしていなかったであろう。
「…や、普通…よりちょっと大きいくらいじゃないかな?165センチ」
「ええぇぇぇ!?私より15センチも大きいじゃない!!」
「それはウメコがミニマムなの」
「あーあーあーあーミニマムっていったぁ!!もぅ小さいとか言わないでって言ったの
にぃ!」
「話を振ったのはウメコでしょ」
仙一はそう言ってパフェスプーンをウメコの口に入れた。ウメコの好きなチョコバナナパ
フェだ。
おいしい?と聞かれるが美味しくないはずが無い。ウメコこと小梅は笑顔で返事をした。
その笑顔が好きなんだよなぁ、と仙一も思わずつられて笑顔になる。
「で、なんでいきなり身長の話に?」
小梅はどきりとして、思わず食べていたバナナを胸につかえてしまった。
ごほごほと咳き込みながら別になんでもないのと必死に被りを振る。
「…ただね、男の子はお母さんに似るっていうから…センさんのお母さまはやっぱり大き
い人なのかなって思って」
ぽそり、と呟いた。
仙一はなんだそうか、とけらけらと笑った。ふたくちめのパフェスプーンをウメコの口に
放り込む。
「気になったんだ」
「うーん、ひゃっぱりふぁんか、ひょっとね」
パフェを頬張りながら小梅は答える。チョコついてるよ、と仙一の指が小梅の唇を拭っ
た。
「だとしたら女の子は男の子に似るってことかな」
「たぶん」
「いいなぁ、じゃあ将来はスーパーモデルも夢じゃないよね」
えっ、と小梅は仙一を見た。
「刑事の娘がモデルなんて、なんか、格好いいよね」
小梅の表情が固まり、その代わりに肌の色が紅潮していくのが小梅にも分かった。
「気にしてたんでしょ、なんか、そーいうの?大きい女の子は嫌がるかなとか」
仙一はひらひらと手を動かしながらけらけらと笑う。
梅色を超えた真っ赤な色に染まった小梅はただただちがうちがうと声高に否定することし
か出来ない。
が、
「違うことはないでしょ?」
と言われれば否定は出来ない。そんな小梅に仙一はくすくすと笑う。
「まぁ、ウメコらしいといえばウメコらしいけど?」
そう言って仙一はまたパフェスプーンを手に取り、パフェをすくう。
「私らふぃって、何ふぉ(私らしいって、何よ)」
仙一のパフェを待っているのか、口を半開きにした小梅が問う。が、小梅の唇に触れたも
のはパフェスプーンではなく、もっと柔らかでもっと甘いものだった。
「可愛いってことだよ」
今しがた口付けた唇で、仙一は悪びれもなくそう言った。
デートじゃなくて下見にしようかとその唇が続けるのは、真っ赤な小梅の平手の後。






「ちっちゃい男の子だったらどうするの」
「うーーーん…喜劇俳優」