弟?





見回りのついでに志村家に寄って昼寝をするのが、最近の沖田の日課であった。



今日も妙の膝の上に頭を置き、お気に入りのアイマスクを装着し、準備完了。



妙はそんな沖田の髪を梳きながら微笑む。






「何だか、弟がもう一人増えたみたい」






聞き捨てならないその台詞。


沖田はアイマスクをはずし、妙を見据えた。




「そりゃどういう意味ですかィ?」

「だって、沖田さんの方が年下でしょう?
意外に甘えん坊だし…新ちゃんと重なるっていうか…」



妙は頭の中で自分の考えを整理するように、一言ずつゆっくりと答える。



沖田は言いようのない苛立ちを覚えた。





じゃあアレですかィ。

俺がここに来る理由も
アンタに甘える理由も


何一つ伝わってなかったって事ですかィ。



冗談じゃねェぜィ。





「お妙さん」

「はい?」




起きあがり、妙の手首を掴むと、そのままぐいっと引き寄せた。





「っ!?」


唇が重なる。



さきほどまで手首を掴んでいた手は妙の後頭部をしっかりと支え、逃れようにも動けない。



器用に妙の唇を開き、沖田の舌が妙の歯列をするりとなぞった。






「…弟がこんなこと、しやすかィ?」


唇が離れると、沖田はそう言ってニヤリと笑った。




「………しないわ」


くやしさの為か、それとも照れか、妙の頬は真っ赤に染まる。




「でしょう?…
俺は弟なんかじゃ、無いですぜ」


沖田は帰りやす、と言い立ち上がった。



障子に手をかけ、そのまま出て行くのかと思えば、妙の予想に反してくるりと振り返る。







「何で見回りサボって毎日ここに来るか。
何でアンタにだけ甘えるか。
何でキスなんかしたのか。

よーく考えといて下せェ」



それだけ言うと、沖田はさっさと言ってしまった。




意地悪な笑顔を残して。

残された妙は、まだ熱い頬を手で押さえながらぶつぶつと呟く。



「そんなこと言われたって知らないわよ。毎日ここに来るとか私にだけ甘えるとかキスする理由なん、て……」






理由なんて、


一つしかないじゃない。






一つの結論に行き着いた妙の頬は、再び赤く、熱く火照るのだった。




END





sweet&sweetのどら様からキリ番を踏んだ際に戴いた沖妙です。
見事してやられてしまったお妙さんが凄く可愛いです。
また、ちょっぴり背伸びをしているかのような、それでいて中身は男な沖田が非常に魅力的です。
お忙しいところリク受け付けてくださってありがとうございました!!

(どら様のサイトsweet&sweetは閉鎖されました。お疲れ様でした!)










戻る