| 『私は天使と呼びます』
___そういえば、昔同じ事を言われた。 “この仕事”についてすぐ。 ぼくの担当は6歳の女の子だった。 仕事の日に彼女の入院する病室へ行くと、 もう、意識もほとんど無い状態で。 別に人間の死を看取ることが仕事じゃないし、 そんな趣味もないから 何とも思わなかったんだけど、 ほんの一瞬、意識が戻ったときがあって、 目があった。 今にも死にそうな人間には僕たちが見える。 もちろん、彼女にも見えたんだ。 「天使・・・?」 うつろな瞳で、そう呼んだ。 ・・・・・・ああ、なるほど。 白い羽根に金色の髪、金色の瞳。 まさに絵に描いたような『テンシサマ』だ。 「そう思っててもらえると、連れて行きやすくてありがたいね。 迎えに、来てあげたよ。」 そう言って、僕は 天使に到底似合いもしない大きな鎌で 彼女の魂を刈った。 その時は「下らない」と、はじめから気にもしなかったし、 たった今まで忘れていたけど、 同じ事を言われた今 途端に思い出した。 “覚えていない” んじゃなくて、 “忘れていた” んだ。 わざと。 自分が天使だなんて考えたこともなかったし、 なれるはずもなかった。 でも どこかで 『なりたい』 と願う僕がいたのかもしれない。 だから、覚えていた。 ねぇ。 僕は天使? 空を自由に飛び回る この真白い羽根は、 清らかな魂を天に還す その仕事は、 『カミサマ』に与えられた 天の使いのしるし? 2004.12.8(WED) いきなり「ずみやん」かい!!(満月をさがして) 戻る |