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では、私は先に失礼させて貰うよ。」 「あ、はい。お疲れ様です。マスタング先生。」 「・・・君の仕事はまだ終わらないのかね?」 「え?ええ、後はこれを片づけたら帰りますけど。」 「そうか。では、これから一緒に食事でもどうかね?」 「は・・・?」 「先日しゃれたイタ飯屋を見つけてね。どうせなら美しい女性と訪れたいと思ったのだよ。」 「あ、あの・・・。」 新任の女性教師は白い頬をこれでもかと言うほど紅く染めてうつむいた。 「私でよけれ…」 「マスタング先生。」 おどおどと返される返事を遮るように響いた声に、ロイは一瞬身を凍らす。 「ホ、ホークアイ先生っ!!!」 声の主の姿を確認すると、新任教師は慌ててその場に立ち上がった。 「やあね、初任者研修は終わったんだからもっと楽にしていいのよ?」 笑顔でそう告げられるが、体が覚え込んだ緊張感はそう易々と抜けるものではない。 わたわたと机の上の荷物をまとめると、目の前に立つ二人の教師に深く礼をする。 「そ、それではお先に失礼させていただきます!!マスタング先生、お食事はまたの機会に!」 ぺこぺことお辞儀をしながら職員室を出て行く姿を見送りながら、 ロイはその場に立ちつくした。 「・・・リザ・ホークアイ先生、やきもちかね?」 ロイが無表情のまま振り返ると、それ以上に冷たく、鋭い視線を返された。 何と言ったらいいかわからずに、とりあえず笑顔でごまかす。 「・・・冗談だ。」 「そうしてください。」 きっぱりと切り返され、気まずさに笑顔が引きつる。 「あー・・・、何か用があったのではなかったかな?」 「はい。エドワード君と先ほど廊下で会ったのですが、マスタング先生を捜していましたよ。 明日のことで何か打ち合わせでもあるのでは?」 「エドワード・エルリックが? 今まで彼が生徒会関連を含めて私を訪ねることなどあっただろうか…。」 コンコン 「失礼します。」 丁寧に扉を開けた少年は、すっと会釈をしてまた静かに扉を閉めた。 さらりと室内を見渡すと、そのまままっすぐ職員室のほぼ再奥にあるロイの席へと近づく。 「やい顧問。」 「何だ会長。」 向かい合うように立つやいなや、エドワードはロイを見上げ、きっぱりと言いはなった。 「明日の総会の準備もしないで帰ろうとは、いい度胸だなぁ?」 ロイの手には先ほど帰ろうと握ったバックとコートがそのまま掛けられている。 その自分の腕とエドの顔を何度か見比べて、ロイは首をかしげた。 「準備?」 「おう。会場設置と各委員との最終打ち合わせ。 まさかそこに生徒会顧問が居ねぇ訳にはいかないだろうが。」 「はっはっは。今まで誰より不真面目に活動を続けていた君の口から そんな台詞が聞けるとは思ってもみなかったよ。」 「うるせえ。俺だってやらなきゃならん事と、そうでないことの区別くらい付くわ。」 「しかし残念だが意欲あふれる生徒会長と仕事をしている余裕はないのだよ。 私もなかなか忙しくてね。では、失礼。」 ロイがそのまま職員室の出入り口に向かおうとすると、 リザがその前に立ちふさがってエドワードに声をかける。 「そのことなら大丈夫よ、エドワード君。 マスタング先生も私も、今日はお手伝いさせてもらうわ。」 「お、おい、ホークアイ先生・・・。」 「大丈夫でしょう?人を食事に誘うほどの余裕があるんですものね。」 「う・・・。」 「まさか明日の職員用資料がまだできていないとか、来週の会議の書類を作っていないとか、 昨日の豆テストの丸付けが終わっていないなんて事は無いでしょうし。」 「・・・。」 「そうですか。じゃあお願いします。 なんか今日時間かかりそうで、誰か責任者の先生が必要だったんですよ。」 エドワードがにやりと笑い、それにつられてリザはにっこりと微笑んだ。 しかし、ロイにとっては全く笑えない方向に話が進んでいる。 「マスタング先生なら生徒会顧問だし、11時近くまで残ってても大丈夫そうですよね。」 「なっ!!!!!???」 「まあ、そんなに仕事残ってるの?」 「はあ、意外と細かいことが多くって。それにこういう準備って、 前日になると見落としてた事とか見つかったりするじゃないですか。」 「それもそうね。だけど毎回はだめよ?今度から気をつけるように。」 「はい。」 背後で青い顔をしながら硬直する顧問に気付いているのかいないのか、 生徒会長と副顧問は楽しそうに今後の日程などを打ち合わせていた。 実は→→→エド&リザの『ロイ・マスタングをぎゃふんと言わせてやろう作戦』でした。 発案者はきっとエド。でもリザ先生はリザ先生でノリノリだったようです(笑)。 おしまい。 人生2本目の鋼二次。 だから何でパラレルなんだっつの。 うちのエドとマスタンの関係ってこんな感じです。いたずらっこ。 ・・・うちの大佐、ヤラレでごめんなさい(陳謝) 戻る |