1時間目 日本とアジアのアニメ事情1

 近頃、日本のアニメと世界を比較した特集番組が放送される事が増えました。今回はアジアと日本の関係についてお話します。そもそもアニメというのは商売です。テレビ放送等を通じてスポンサーや広告代理店等が儲ける為にやってます。なので、文化等と言われてもまったく関係無い訳です。アニメの立場は鉄腕アトムから変わらず、低予算で出来る穴埋め番組、娯楽としても子供が見る物、私はこの言葉は嫌いですがオタクの象徴として今だ社会からアニメ好きと言うだけで差別されてしまう程の扱いです。徐々にアニメで育った世代が増えてきてるので変わりつつありますが、まだまだ世代間の考え方の違いは変わりません。そういうのもあって予算も上がらず、報酬も昔と変わってません。こういう背景から、人件費の安いアジアへと仕事が流れてます。現在やってる動画の50%以上は海外でやってると思います。でも、良く考えてみてください。日本で1枚(経費差し引く)¥100〜¥200でやられてるものが、海外では¥50弱。各国の物価からいったら全然比率が違います。日本からみたら制作費が少なく安く出来るのですが、アニメーター当事者からみれば扱いの違いに呆然です。という声があっても、商売なのでしょうがないとしか言いようがないです。と、言うのが今までです。宮崎アニメ、イノセント、アップルシードと海外で一般的に絶賛されるアニメが増えてきたのでちょっと望みも見えそうですが、アニメーター自信が業界に訴える時期がきてるのではないかと思ってます。
 日本の賃金が安い事で、若い世代の空洞化が起こってます。ただでさえ、給料が安いと一般の会社を辞めるというのに、実力がないと稼げない業界で、しかも上に行けるのは極わずか。その背景に上の世代が引退しないというのもあります。これは一般の業界でもそうですが、会長、社長、重役等、席の数が少ないのにずっと居座ってる方が多いですよね。これと同じで、大御所がずっといると言う訳です。定年のない仕事ですし、本当に上手いので否定する余地もないのですが(^^;ただ、このままだと若い世代がいないので、そのうち業界もすたれてしまうのは目に見えてます。海外では常に人材を残そうと公的に学校が出来てるそうです。