●アマゾンで固定化される炭素量は およそ1230億トン
ブラジル国内外の様々な研究機関の報告によると、アマゾン熱帯林は年間8億トン前後の炭素を固定していると概算されています。東南アジア等、地上の他の熱帯林より少なく見積もられるのは、アマゾンにより成熟した森林が多く残っているからです。アマゾンで固定されている炭素量はおよそ1230億トンと計上されています。この、森林として生きたかたちで固定されている膨大な炭素が焼失され、大気に放出されると一気に温暖化が加速し、後戻りできないシナリオがが展開されることになるのです。更に心配なことに、直接伐採された面積よりも広い地域で森そのものが弱っています。近年上昇しつつある気温と強い乾期で天然林での枯死が進んでいるのです。
●アマゾンの森林から膨大な水蒸気が供給
またアマゾンは炭素だけでなく、その膨大な蒸散量から上空にアマゾン流域と同じ量の水蒸気を第二のアマゾン河として維持し、中南米はおろか、北米にまで達する気候と雨量をコントロールし、世界各地に輸出している食糧庫も支えています。現在、これら重要な森林サービスをもつアマゾン熱帯林では、心配なことに過去10年間、毎年確実に伐採面積が増加しています。2021年に伐採・焼失した同熱帯林の面積は長野県に匹敵する面積、1万3235平方キロメートル(ブラジル国立宇宙研究所報告)でした。目に見える形で悪影響が出ているのは南米だけでなく、北米にまで達するハリケーン・突風・豪雨の増加、そして乾期での抑制の効かない森林火災の増加などです。これらが更に悪循環を生み、よりアマゾン熱帯林を弱らせ、サバンナ化を、そして全球での温暖化を加速させてしまうことになります。もはや「対岸の火」として放っておくわけにはいけなくなってきているのです。
●熱帯雨林を維持する試み
国内外でアマゾン熱帯林を維持するための様々な試みがなされていますが、未だに決定打となるに至っていません。2021年11月の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」で努力目標だった気温上昇幅を1・5度に抑える目標達成へむけて努力を追求すると確認し合いました。人類共通の喫緊の課題である温室効果ガス排出削減のために具体的に何をすることができるかが問われています。
●ブラジルーアマゾンで植林事業
私たちアマゾンに植林活動を推進する活動家の有志としては、植林自体の実践を追求することは当然として、森林地帯に居住する人々の実状に即した活動を追求しています。信頼関係を築き、森とそこに暮らす人々の両面をみて持続的可能な活動にしなければ成り立たないからです。特に現地で生活基盤が確立・保障されていない人々にとっていかに木を植えることが経済的・生態的に有効であるかを説明することが最初のステップです。そして納得を得ている人々の土地で、特に疲弊した土地に植樹をするというものです。
森林に住む人々を啓発し、意識を変革することではじめて、地球的課題であります気候変動に立ち向かう本当の流れが生まれると信じています。上からの政策だけでは無理なのです。それでは、どこかで誰かが利用して終わっているのです。
そして、私たちは植えた後もその土地の人たちと連携を取って、植樹の追跡調査を続け、生育状況を更新して大樹になることを見守っていきます。
2028年までに、アマゾンの伐採地帯を中心に植樹と、人々の心に木を植える心を植えることを完了することを目標にしています。
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