嘘つきな天使たち

  ◇ 話の内容 ◇

   地殻変動が起こり、大陸の殆どが海に沈んでしまった世界。
   再び地殻変動が起こったとしても、安全と思われる「丘」と呼ばれる土地に時代を逆行した

   貴族社会があった。
   この「丘」の貴族、イェリネック伯爵令嬢のローレは幼い頃、母親のイザベラと一緒に、丘の
   外にある居留地(難民達の住む災害が多く起こる危険が大きい土地)に移り住んでいたが、
   土地が大津波の被害にあった為に再び「丘」に帰ってくる事になる・・・。
   しかし、居留地育ちのローレは、「丘」の貴族が好きになれない。

   そんな中、ローレは不思議な能力を持つと噂されている青年貴族ヴァイゲル子爵(アルノ)
   の何処か他の貴族とは違って見える所が気になるが・・・。



  ◆ 感想 ◆

   この本は、橘香いくのさんの初の単行本になります。
   橘香さんは詐欺師やペテン師にはまっておられたそうで、十八、九世紀くらいのヨーロッパ
   の詐欺師の出て来る本を読みあさっていた所、美形の泥棒さんの存在を知り『美形の詐欺
   師のお兄さんが書きたい!』と言う事で、この話を書かれたそうです。(あとがきより)

   話の内容は、ローレの、気持ちがいい程の元気の良さが読んでいて楽しかったです。
   何処までも、アルノを追っていきそうな勢いがいいです(笑)
   それと、アルノの素直じゃ無い所もなかなか可愛いなぁと思いました(笑)

   私は個人的には、橘香さんが泣かされたというゲオルクがお気に入りです。
   彼の突拍子もない性格が好きです。
   橘香さんはアイヘンドルフ侯爵が好きだそうですが。確かに分かりやすい性格の人ですね。
   この話の中では悪者で登場するのですが、最後の方で彼の正体(?)が分かった時は、た
   だの悪者ではなかった事に驚きました・・・。

   このシリーズは、続編が出たら読んでみたいです本の1つです(^-^)






シャフラスターンの歌 魔性の王子

  ◇ 話の内容 ◇

   話は老人の昔語りという形で始まります。

   シャフラスターンの第三王子ハルーンの母アズィーザは、野心家で息子を王座に何としてで
   もつけようとしていた。
   そのため、流行り病で瀕死の幼いハルーンの命を救うために邪神と契約し、ハルーンの命を
   助けてもらうが、それ以来ハルーンは、魔性カルマトをその身に宿す事になる。

   ハルーンが16歳を迎えた頃から城内で不可解な事件が起こる・・・。
   ハルーンの中にいるカルマトの仕業なのか・・・!?



  ◆ 感想 ◆

   私はこの話し結構好きです(^-^)少し話は重たい感じですが、・・・というか主人公の王子、
   ハルーンが、とにかく可哀想なんです(T_T)
   ハルーンはいったいどうなってしまうんだろう・・・と最後まで気になる話でした。

   もう1度読み返してみて、改めて主人公ハルーンのどうしようもない運命に切ない気持ちに
   なりました。

   後書きを読んでいると「今回は」という言葉が出てきていますが今後もこのシリーズは出る
   のでしょうか?私は是非、出て欲しいと思います。
   でも、今の所はまだ出そうじゃないかも・・・。

   あまり明るくない話ですが、一緒にハルーンを応援して見ませんか?(^^)
   出ているの1冊だけですが^-^;





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