++十二国記シリーズ++

月の影 影の海 上


  ◇ 話の内容 ◇

   中嶋陽子は、ひと月間に渡って奇怪な夢を見続けていた。
   授業中その奇怪な夢を見て悲鳴を上げてしまった陽子は放課後、職員室に呼び出される。
・・
   そこへ突然現れたタイホと呼ばれる男が陽子を連れて行こうとする・・・。
   男はケイキと名乗り、陽子は自分の主だと言うが・・・。

   ケイキに連れられて海に移った月の影から異世界に辿り着いた陽子は、海上で再び異形の
   獣に襲われてケイキと離れ離れになってしまう・・・。



  ◆ 感想 ◆

   私が小野不由美さんの十二国記シリーズを読んだのは、活字倶楽部に紹介されていたのが
   きっかけでした。
   本当に面白いんだろうか?と半信半疑な気持ちで読んでみたのですが、独特な雰囲気の世
   界に、とっぷりとはまってしまいました。
   これは面白いです(^-^)

   「月の影 影の海 上」は、読んでいて陽子を早く何とかしてあげて欲しいと思う辛い話です。
   永遠にその状況が続いて終わりが無い様な感じがして・・・。
   でも、もしあの状況で、陽子とは違った性格の主人公が置かれた場合どうするのかなぁとか
   考えたら、う〜ん・・・何て言うか、陽子の性格だったからこういう感じの話しになったのかな
   と思います。
   しかし、信じてた人に裏切られるって言うのは凄く辛い事ですよね・・・。
   その人はそういう人だったんだっと割り切って悪い人ばかりじゃない、きっといい人がいるは
   ずだ・・・っと思えれば良いんでしょうけど。






月の影 影の海 下


  ◇ 話の内容 ◇

   妖魔に襲撃され傷付いて動く事が出来なくなっていた陽子はネズミの姿をした半獣の楽俊に
   助けられる。
   役所から追われている陽子は、楽俊と共に雁国(えんこく)に行く事になるが、旅の途中、午寮
   の街が見えた辺りで妖魔の襲撃にあい、楽俊が妖魔の攻撃で倒れてしまう。
   陽子は楽俊の事を本当に信じる事が出来無くてその場に置き去りにして一人で逃げてしまう
   が・・・。



  ◆ 感想 ◆

   上巻は、読んでいると苦しくなって来る様な話しでしたが、下巻は明るい兆しが見えて来て安
   心しました。
   陽子が精神的に成長していく過程の中で、『自分の意見を考えるより他人の言うままになって
   いる方が楽だった。』 『他と対立してまで何かを守るより、とりあえず周囲に合わせて波風を
   立てない方が楽だった…』と、過去の自分を振り返っていますが、ここを読んだ時、他人に依
   存してしまっている所がある私は少し考えさせられました^-^;

   この巻では、半獣の楽俊が登場しますが、ヒゲが可愛いですねぇ(^-^)
   この凄くいい人(?)な楽俊に出会えたからこそ、陽子は心身共に救われたんだなぁと思い
   ました。

   ちなみに、私が十二国記の中で1番好きな登場人物は延王、尚隆です(^-^)






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