++影の王国シリーズ++

影の王国1 ピジョン・ブラッド


   ◇ 話の内容 ◇

    須藤瞳は幼い頃、母親に満月の赤い月を見てはいけないと言われていた。
    しかし9月の十五夜の日、つい夜空を見上げてしまった瞳は血の様に赤い色の月を見てしまう。
・・・・

    その翌日から瞳の見る物に異変が起こった。
    今まで存在感が薄かった、同じクラスの渡会月哉を影の中で見た時、光の中にいる時に感じな
    かった存在感を持っている事に気づいたり、他の人には見えていない奇妙な蔦や生き物が見え
    たり、さらに瞳の家の前に引っ越してきた白金夫人の影が2重に見えたりする。

    いったい瞳の身に何が起こっているのか!?



   ◆ 感想 ◆

    赤い月を見たために瞳の人生が変わって行きます。

    夜の空に綺麗に見える月と同じように、影の中にいると綺麗に見える月流は神秘的な感じで綺麗
    だなと思いました。

    主人公の瞳は、女の子だけれどイジイジした所が無くて、さっぱりした性格なので好感が持てました。

    この話、月哉が自分から敵に向かっていこうとしない所がちょといらいらさせられる感じですが^-^;
    でもちゃんと瞳を守ってあげるところはカッコいいなと思いました。

    私は榎木洋子さんの小説結構好きです。読みやすくて面白いので(^-^)
    この影の王国のシリーズは、はじめ読もうかどうか迷っていたのですが、読んで見てこれは面白いな
    と思ったので、買った時点で出ていた本は、一気に全部読みました。

    表紙&挿し絵を描かれている羽原よしかづさんの絵も綺麗で引きつけられます。







影の王国2 エスケープ・ゴート


   ◇ 話の内容 ◇

   須藤瞳のクラスに、普通とは違う感じを持っている名倉月留が転校してきた。
   月留の雰囲気が渡会月哉に似ていると感じる瞳。
   何故か自分の事を攻撃的に見る月留を、月からやってきた月鬼だと疑う瞳だが・・・。

   そんな時、新たな追っ手、戦士イヤルドと幽霊に出会う月哉と瞳は・・・。



   ◆ 感想 ◆

    「月留」の名前は、金蓮花先生が銀葉亭茶話シリーズ(コバルト文庫)に出てくる、銀葉亭の主人、
   月流(うおるりゅ)の名前を打つ時に「つきる」と打っているのを聞いて付けられた名前だそうですが、
   綺麗な名前だなと思いました。

   所で、榎木先生のお気に入りのキャラクターはイヤルドだそうですが、私は彼と一緒にいる「幽霊」が
   面白いキャラで好きでした。

   ここから下↓ネタばれ入ってます。

   それにしても、月留の瞳への勘違いは分かるような気もするけれど、それはちょっとどうかなぁと思い
   ました^-^;
   月留は、最初から逃げたのが王子だと言うことを知っていたはず?ですしねぇ。
   女の子に姿を変えていたと思っていたようですが・・・^-^;
   だから瞳に対して月留の態度が厳しかったんだと月留の勘違いが分かってから納得しましたが。
   私もまさかそんな分けないだろうと思ってましたが、一瞬本気にしてしまいました(笑)
   もし本当だったら面白いなぁとか思ってみたりもしましたが。

   あと、最後のほうで月哉が初めて月留の名前を言った時、驚いた瞳に見られて照れて石を蹴った所
   なんかは、照れ屋な所が出ていて可愛いなぁと思いました(笑)







影の王国3 ファントム・ペイン


  ◇ 話の内容 ◇

   名倉月留は兄の白藍の恐ろしい夢を見る・・・。
   何かの予兆なのか・・・?

   そして瞳は、学校から帰宅の途中、お寺の敷地内で白い服を着た自分の事を「賢者」と名乗る男と
   出会う。
   帰宅した後、瞳はこの男と出会った記憶を失っていたが・・・。



  ◆ 感想 ◆

   瞳のお母さんの秘密が少しあかされます。
   まだこの時点では謎だらけで先の話が気になるところです。

   瞳達は、期末試験だとゆうのに、集中して試験勉強も出来ない情況だったと思われるので、試験の
   結果はあまり良くなかったのでは?と思いました・・・^-^;

   この巻の話、「ファントム・ペイン」は、今回で終わっていなくて影の王国4巻に続いています。
   前の巻でもそうだったけど、月留が何だかだんだん月哉に冷たい扱いされている様な感じですが、
   頑張って欲しいなと思いました(笑)

   どうでも良いことですが・・・写植ミスを見つけました。(暇人(笑))
   125ページ3行目「スボン」→「ズボン」の間違いでしょうけど流石にこれはちょっと笑えました^-^;
   132ページ16行目「消えかかっていらしいと瞳に話した。」
   (この様な事を書いてますが、私の文章もミスってる所があるかも知れません。許してください(^^ゞ)







影の王国4 ファントム・ペイン2


  ◇ 話の内容 ◇

   デパートの屋上にふと気がついたら1人で立っていた瞳・・・。
   白いコートの男が自分と接触して何かをした様だが?
   その時の事を何も思い出せない瞳は、自分の行動に恐怖を覚える・・・。

   そして、瞳はデパートまで迎えに来た月哉と一緒に帰る途中、突然の大雪に見舞われる・・・。
   どうやらこの雪は月鬼の仕業の様だが・・・。



  ◆ 感想 ◆

   炎の精霊がどうなったか気になって仕方なかったです。
   イヤルドに結構酷いことを言われてましたが^-^;
   やっぱり良いですねぇ、炎の精霊(笑)

   この本で、白いコートの男の正体が明かされますが、目的を達成するためなら手段を選ばない人の
   様ですが、冷たさの中にも優しい部分が隠れているキャラなのかなぁ?と思いましたがどうなんでしょ
   う…。
   あの優しさは芝居で本当の性格は残虐非道なのか?それとも本当は優しいけれど、残虐非道を
   装っているのでしょうか…?

   この話の中では、利用された月留が一番可哀想な感じがしました。
   酷すぎますねぇ・・・月留は「彼」の事を信頼しているのに・・・。

   この話で第一部が終了します。





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