編成と特徴

  (1) 芦別獅子の編成


芦別獅子は、その規模と編成において、現代の獅子舞の中では最大規模であり、次のような人数と役割によって構成されている。

      ・ 獅子本体    獅子頭 1人、 中役 8人、 尾 1人 計10人

      ・ 獅子取      2〜4人

      ・ 太鼓役      2人

      ・ 鉦  役       1人

      ・ 笛  役      5人

         合  計      22人 


これは最低限の編成であり、獅子本体(かや)の中に入る10人は疲労が激しいので、交代要員として別に10人を必要とする。 特に、重量が3kgもある獅子頭を振る者は通常1曲ごとに交代し、天狗及び獅子殺しなど6分を越える曲では途中交代を要する。囃子では、太鼓役も打ち手の交代が必要となり、総勢35名程度の人員がいなければ万全な態勢とは言えない。


2 舞の種類

  (1) 中門口(ちゅうもんぐち) 住口、序口、新序口ともいう。     サウンド 1.30
       昔の豪邸には入口の大門の次に中門があり、そこから庭に続いて玄関があった。
       この曲は中門から御幣を振って清めながら玄関に向かう時に舞い、非常に目出度い舞で
       ある。
       獅子取が手に持つ採り物は御幣。

  (2) 七五三(しちごさん)                       サウンド 3.18
      
  神楽の太鼓のリズムから創作されたもので、太鼓の打 ち方は手が込んでいる。
        獅子取の採り物は中房飾りの棒。

  (3) 吉作(よっさく) 四つ作ともいう。                サウンド2.36
       四季を通して豊作で、合わせて家運の繁栄を祈る舞である。
       獅子取の採り物は両房飾りの棒。

  (4) 狂振(きょうぶり) 京振とも書く。               サウンド2.37
       能の狂言から創作された物で、獅子頭の振り方に妙味がある難しい舞である。
       獅子取の採り物はなぎなた。

  (5) 剣囃(けんばやし) 玄林、祇園囃子ともいう。           サウンド 1.38
       剣を持ち、囃子に合わせるテンポの早い勇壮活発な舞である。
       獅子取の採り物は両房飾りの棒。

  (6) 八つ節(やつぶし)                         サウンド2.06
       笛の八つの音色の特異な変化を舞として表現したものである。
       獅子取の採り物はなぎなた。

  (7) 切幣(きりぬさ) 切混ともいう。                サウンド2.26
       悪魔を追い払い、幸福の神の出現を祈る舞である。
       獅子取の採り物は槍。

  (8) 天狗(てんぐ)                         サウンド5.43
       神がみずからの代わりに勇壮な天狗を使者としてつかわし、
       悪獣である獅子をこらしめる所作を表現した舞である。
       獅子取の採り物は中房飾りの棒、腰に刀。頭に毛冠(シャグマ)をつける。

  (9) 獅子殺(ししころし)                       サウンド 6.11
       獅子という悪獣を帰順させ善良なものに生まれ変わらせる為、
       一度殺すという意味の所作を表現した舞である。
       獅子取の採り物は両房飾りの棒、腰に刀。頭に毛冠(シャグマ)をつける。

 囃子 

      囃子には舞9曲と行進3曲の12曲がある。
      ここで行進曲3曲の解説する。

      (1) 神社回り                        サウンド 2.56
           神社へ獅子舞を奉納する際、行進しながら吹鼓する曲で、
           ゆったりとしたテンポと曲想が印象的である。
      (2) 農家回り                        サウンド 1.35
           農村地区の水田のあぜ道などを進む際、細長い隊列となって吹鼓する曲で、
           神社回り同様ゆったりとしたテンポである。
      (3) 街回り                          サウンド 1.17
           街中の家から家へ、短時間のうちに移動しながら吹鼓する曲で、
           前2曲とは対象的にテンポが速く、軽快な曲である。


2007.03.30更新 |ホーム

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