第十二話〜「Hot or Ice?」〜
はぁ〜。全くあいつったら何でこんな時に風邪なんか引くのよ。
もうすぐバレンタインよバレンタイン。
いろんな意味で重要な年間行事の一つだって言うのに全く〜。
あんな体調じゃチョコレートを作っても食べて貰えるかどうか分かったもんじゃない。
せっかく今年は気合い入れて手作りのチョコレート作ろうと思ってたのに、バカ…。
…
……
………
!!!
ひらめいた!!別にチョコレートじゃなくてもいいの有るじゃない。
あたしは思いついたアイデアを実行すべくあいつの家に向かって飛び出した。
「なんだよ急に? ゴホゴホ。」
うわ〜、やっぱり酷い風邪ね。やっぱチョコは諦めて正解だわ。
「ん〜、あたしがお見舞いに来たのに嬉しくないの〜?」
「嬉しいけどさ。まだちょっとゴホゴホ、熱有るんだよ。」
お〜、実にナイスタイミング。急いで用意して正解だったわ。
「そんなあんたにあたしからのプレゼントよ。いいのあげるからちょっと待ってなさい。」
あたしはそういうと台所に行き、さっき買ってきた”あれ”の準備を始める。
「はい、お待ちどうさま。」
あたしはあいつにある物が入ったマグカップを手渡してあげる。
あいつは少し体を起こし、受け取ったマグカップの中身を見て少し微笑んでいる。
「あ、ココアか。体が温まるよ。」
相変わらず鈍いわね、こいつ。ま、そこがいいところでもあるんだけどさ。
「ばーか、”ココア”じゃなくて”ホットチョコレート”よ。
あたしのホットチョコレートが飲めるのはあんただけなんだからね。」
「「くすっ」」
あたしとあいつの微笑みが重なる。
「ちょっと早いけどこういうバレンタインもいいかもね。」
「でしょ?」
〜Fin〜