第六話〜「商店街」〜
「ねえ、今日は何が食べたい?」
私は彼の手を繋ぎながら夕方の商店街をゆっくりと歩いている。
「ん〜と、カニ。」
「え?」
彼の何気ない一言に私は思わず固まる。
カニって高いのよ。
しかも今日の予算じゃカニなんて買えない。
どうしよう・・・。
「だめ?」
私の沈黙で彼も察したのか私を覗き込むように聞いてくる。
「ごめんなさい。今日はちょっと…。」
うう、ちょっと悲しい。
「そっか。じゃあ秋刀魚でいい。」
「ごめんね。」
「べつにいいよ。お前の作ってくれる物なら何でも美味いから。」
くすっ。やっぱり優しいな。
よし、今日は秋刀魚に決定。
ビールは一本サービスしちゃおう。
「さ、それじゃあ魚正さんに行きましょ。」
「お〜♪」
〜Fin〜