第二話〜「かげろう」〜
いつも同じ電車の車内で会う君。
いつもの場所で儚げ(はかなげ)に立つ君。
まるで人混みの中に紛れ込んだカゲロウのような
儚さ(はかなさ)が僕の心を締め付ける。
何故だろう…。
どうしてこんなに彼女が気になるんだろう…。
名前も知らないただ同じ電車に乗ることしか
接点がない人なのに…。
ガタガタガタ。
電車がうるさい音を立てながら
ゆっくりと速度を落としていく。
もう、この駅なのか。
彼女がいつも降りる駅。
僕の心が彼女から解放されると共に
やるせなさが詰め込まれる時間が…。
彼女が僕の視界から消える瞬間
初めて彼女の笑顔が見えた。
彼女の傍らに同じ笑顔の子。
なんだ、彼女ああいう顔も出来るんだ。
ほんの一瞬の出来事だけど
その光景は僕の心を満たしてくれた。
明日もあの笑顔見られるかな。
〜Fin〜