第一話〜「アイスクリーム」〜
「ああ、もう。あいつは何でいつもあの自販機のアイスばかり食べるんだ?
全く自販機なら他にもあるじゃないか。なのにいつもあのアイスばかり食べやがる。
毎日同じアイス食って飽きないのかお前?」
と、言いたい気持ちを俺はぐっとこらえる。
そう、あいつには何を言っても無駄だ。
それに口であいつを負かせる自信がない。
何たって幼稚園の頃からあいつと口論して勝った覚えがないほどだ。
あれが女とは俺は断じて認めない。
あ〜あ、何で俺こんな奴と今も一緒にいるんだ?
まあ、同じ学校に通ってるから仕方ないんだけどさ。
でも、最近ちょっと気づいたことがある。
あいつ、やたらあのアイス嬉しそうに買って美味そうに食うんだよな。
普段はがさつで口うるさいたまらない奴だが
何故かあの時だけはそれなりに可愛く見える。
ような気がする。
って、何を言っている、俺!?
気のせい!気のせいだ絶対!!
ん、あいつ何俺呼んでいるんだ?
はあ?「あたしだけアイス食べてると俺がかわいそうだから俺も何か買え?」
バカ言え、何で俺がお前の自販機アイスに付き合わにゃならんのだ。
お前がおごるならともかく自腹でそんなもん買う気はない。
何?「アイスに付き合ったら帰りに自転車乗せてやる?」
そうだった、今朝の雨のせいで歩いてきたんだよ、俺。
仕方ない、アイス一本で自転車乗せてもらえるなら安いもんだ。
しょ〜がない、適当なアイス買うか。
はあ、しっかり仕付けられてるな、俺。
まあ、こいつだから仕方ないし
ま、いっか。
〜Fin〜