第二十一話「浴衣」
ピーンポーン
「は〜い」
「あ、俺だけど。」
「あ、すぐ出るからちょっと待ってね。」
「分かった。」
はぁ、いつも「すぐ」って言いながら待たせるから今日も待つんだろうな。
何で女って奴は準備にああ時間がかかるんだろう。
と思っていたら今日は予想外にすぐドアが開いた。
「お待たせ。」
「お、おぅ。」
そこにはいつもの活発な感じを感じさせない浴衣姿の彼女がいた。
こいつ、こんなに綺麗だったんだ。
「ん、どうしたの?何か変?」
「い、いや、似合ってるよ。」
「くすっ、ありがとう。」
そういうと彼女は俺の手を取ると歩き始めた。
「ほら、急がないといい場所取れないよ。」
「お、おぅ。」
ちょっと情けないが今の俺はいつもと違う彼女に魅せられていた。
ド〜ン!!!
パパパっ…。
シュッ、 ひゅるるるる〜
ひゅぅぅ〜
ひゅうう〜
ひゅぅぅ〜
色とりどりの花火が空を照らし、星を煙で隠していく。
「綺麗だね。」
「ああ。」
「ん、今日はやっぱり変だよ。」
「変じゃないよ。」
「だって今日は家出たときからおかしいよ。いつもは花火大好きで
いろいろと騒ぐのに今日は静かじゃない。」
「たまには静かに見たいんだよ。」
「ふ〜ん。じゃあそういうことにしてあげる。」
ひゅ〜
どぉぉぉ〜んっ!!!
パラパラパラ
「〜がきれいだから。」
「へ?」
「お前がいつもより綺麗だから花火をじっくり見れないんだよ。」
「ホント?」
ど〜ん!!
ひゅ〜
ひゅ〜
ひゅ〜
「本当だよ。」
「良かった。この浴衣、今日のために用意したんだから。」
「そうなのか?」
「うん。」
「来週の花火大会も行くか?」
「うん!!」
ひゅ〜
どぉぉぉ〜ん!!!
パラパラパラ
chuっ。
〜Fin〜